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【崩壊スターレイル考察】飲月の乱の真相とは?(Ver.1.2を受けて)

 今も昔もゲームが好きだ。

 最近は原神をかじるくらいだったが、ごく最近若い知人の勧めもあって崩壊スターレイルを始めた。

 ストーリーが重厚でおもしろい!……などと思っていたら、とんでもない考察材料に出会ってしまった。

 

 ──飲月の乱の真相とは?

 

 

目次

 

公に確認できる「飲月の乱」

罪人丹楓、賊を擁し禁を犯す、
不死を求め、兵禍を招く。
人神同じく嫉む、天地容さず、
理として大辟を当て、これを以って欃槍を定める。

今、
其の旧功を念じ、大辟を免じ、
脱鱗輪廻をもって、旧罪を咎めん。
化外に流徙し、万世還らず、
凡そ治む処、履踏し得ず。

 

 

『飲月大逆判牘』によれば、飲月の乱の概要と顛末がこのように書かれている。

不死を求めた丹楓(=飲月)が賊を率いて、災いを起こした。

巡守の加護を受けている仙舟同盟の一員である羅浮としては、不死を求めるというのは羅浮──ひいては仙舟に対する挑戦のような大変な反意であり、決して許されるものでないが、過去の功績に免じて脱鱗と追放で許す、ということである。

 

ここで疑問が生じる。

 

雲上の五騎士であった丹楓が、そのような大事を引き起こした真の目的はなんだったのか。

 

 

刃を不死にしたかったから?

Ver.1.2では刃が応星という名で、短命種であったことが示唆された。

しかし、現在の刃は不死で自己治癒力を持つ。

だとすれば、飲月の乱で不死となったのは刃であり、飲月は刃のためにそのような大ごとを起こしたのだろうか。

 

飲月の今世である丹恒は脱鱗によって飲月であった頃の記憶を失っているため、情報源としてあてにならない。

しかし、刃のことを表していると推測されていた遺物「流雲無痕」の来歴や公式ムービー、また、刃の実装に伴いストーリーやボイスが解放されたことなどから下記のような筋書きが上がってくる。

 

短命種である刃が病気か怪我か、老化か定かでないが、命の危機に瀕する

丹楓(尊号:飲月)が独断で豊穣関連を何やらして、刃を不死身にする

自らの意思に反して不死の存在となった刃が、丹楓を恨む

 

彼ら2人だけに着目すると、それでも大きな違和感はないが、ここに2人と縁の濃い景元のボイスやストーリー、ストーリー中での言動や態度を加味すると少々違和感が生じる。

 

羅浮将軍となった景元は、そのような大罪を犯した旧友……特に、この流れだとすれば首謀者とも加害者とも言える丹楓に対し、なぜ今もあのような深い信頼を抱いているのか?

 

また、ちらりとご登場の鏡流の存在と、刃主観の彼女の情報の解釈が難しい。

鏡流が不死身となった刃に、残虐とも言えるほどの苛烈な稽古を繰り返した理由は?

そして彼女はなぜ「魔陰の身」となったのか?

 

さらにもっと、この筋書きでは整合性が取れない決定打がある。

 

 

人は5人、代価は3つ。景元……

刃の迷言である。

「人は5人代価は3つ…」という言葉は刃の傷口ひとつひとつに刻み込まれているそうであるが、匂わせすぎである。

前半部分に着目されていたようだが、むしろ、後半部の方が意味深だ。

 

 人は5人、代価は3つ。 景元、貴様はその中の1つじゃない。

その中の1つが貴様だ。

 

人は5人は、今となっては当然、雲上の五騎士のことだろう。

刃が明言しているので、代価は景元以外の4人のうちの3人。

 

「そのうちの1つが貴様だ」はどう解釈できるだろうか。

 

これはそもそも丹恒に向けられた言葉だろうか。

それとも、続けて景元に向けられた言葉だろうか。

 

本編でも丹恒に場面が切り替わってしまっているので、判断が難しいが、どちらに向いているのかによって日本語的にはずいぶん意味が変わってくる。

 

前者であれば、そのまま素直に「景元は代価のうちのひとつでなく、丹楓が代価のうちのひとつである」ということだろうし、その言葉を丹恒も実際に耳にしたことがある、ということだろう。

 

後者──「その中のひとつが貴様だ」が引き続き、景元に向けられた言葉なのだとしたら、これは重要な意味を含んでしまう。

 

翻訳がすみずみまで正しいことを信じて、シンプルに文節を日本語的に解釈するとこのように考えられる。

 

人は5人(雲上の五騎士のこと)、払わねばならない代価は3つ(3人)。

景元は払わねばならぬ代価の1つではなく、払うことで得られるものの1つ。

 

後半部の「その」が指すのは、「代価」のことだろう。

日本語の「代価」には前後の文脈によって、支払わなければいけないもの、という意味と同時に支払うことで得られるものという意味を持たせることができる。

つまり、景元は支払う方の代価……「犠牲」でなく、犠牲を払うことで得られる「価値」の方だ、という風にも受け取れるわけだ。

 

少々考えが行き過ぎているようにも思われるが、そうさせてしまう要素が他にもあるのである。

 

景元は羅浮将軍として職務には忠実──というより、BOSS戦の特殊ボイス「この身こそ巡狩の鏃(やじり)!」に集約されているとおり、まさに滅私奉公という体であるが、望んでその座にあるわけではないことは彼のボイス等から明らかなのだ。

 

また、景元は刃について以下のように語っている。

 

「彼がすべてを忘れてくれたら、私も楽になれたのに…」

 

景元はもともと発言の大半が、多面的で意味深のかたまりであるが、それにしてもずいぶんだ。

刃がすべてを忘れてくれたら、彼は何から楽になれるのだろうか。

景元は何らかの約束か契約のために、将軍の座にあり続けているのでは? と思わせる発言である。相手が刃だけかどうかは別として。

 

 

一方、刃は景元について以下のように言っている。

 

奴はずっと…俺たちの中で一番「代価」を弁えていた。

だが奴は何も言わず、何もしなかった!

 

魔陰発症済の刃ちゃんは、景元と違い正気であるとは言い難い。

記憶は持っているとはいえ、ネガティブなものがフォーカスされやすい状態であるようなので、景元とは論点が異なった発言のように見える。

 

刃のいう、景元が最も弁えている「代価」とは何のことだろうか?

恐らく、不老不死であることの代価……長命種の宿命のことでないだろうか。

 

雲上の五騎士は種族別には以下のような構成だったと思われる。

持明族(丹楓)

短命種(刃)

長命種(鏡流、景元)

狐族(女性、名前不明)

 

この中で「無事」なのは景元だけである。

自身のことを老人と評し、友も敵もいなくなった世界でも粛々と勤めを果たし、後進の育成にも余念がない。そのうえ、白露曰く魔陰の兆候もないらしい。

一方、同じ長命種で景元の剣の師である鏡流は飲月の乱の後、魔陰を発症していることが分かっている。

これこそが、「弁えている」ということでないだろうか。

 

ちなみに、狐族の女性は直接言及されているものを確認できていないが、故人であることは間違いないだろう。そもそも狐族の寿命では現在までもたないし、彼女が自我を保ったまま存命だとすれば、わざわざ景元が御空を見出す必要がなかったはずである。

 

いずれにせよ、この刃の発言とその周辺からは丹楓が個人的感情で暴走して勝手な振る舞いをし、刃は被害者で鏡流は無関係、景元は蚊帳の外だったとは思い難い。

 

むしろ、刃のキャラスト4によると、景元は刃とよく口喧嘩をしていたようなのにそのような間柄にあって「何も言わなかった」ことが事の深刻さをうかがわせる。

 

 

 

飲月の乱は羅浮を守るために起こしたか、副次的に起きたものでは?

飲月の乱は羅浮を守るために起こしたか、それに付随して副次的に起きたものであると自分は考えている。

 

仙舟同盟ではなく、あくまでも羅浮。

仙舟同盟は豊穣対巡狩の枠組みだが、恐らく彼ら雲上の五騎士はそれ以外の枠組みで羅浮を脅かすものの存在を知ったか、対峙したのではないだろうか。

 

内乱的要素としては、持明族はかなり怪しい。

不老不死の話題を街中で口に出すことも憚られる羅浮にあって、持明族は不老不死を願っているし、長老(たち?)は龍尊を傀儡にしたがり、他の仙舟ともつながりがありそうな気配である。

 

外敵要素としては、星核に関わることだろうか。

代価はカフカもよく使う言葉だ。

また、カカリアも星核の代価について語っていた。

 

いずれにせよ、景元が覚醒後の丹恒に対して、飲月の乱のことを「あんなバカげたこと」と苦々しく表現していることから、恐らく、「飲月の乱」そのものは丹楓の独断で起きたものなのだろうと思う。

 

鱗淵境のこだまによれば、龍尊は代々独断専行のひとであったらしいし、ストーリー中で景元もその特質らしきものを取り上げて「龍尊の気質」と表現していた。きっと気高い存在なのだろう。

 

龍尊である「飲月君」が衆目を集め、一身に責任を負うことで守れるものがあったのかもしれないし、持明族の事情が一因であるなら、己ごと一族の癌を滅ぼそうとしたのかもしれない。何にせよ、飲月の乱における丹楓の目的は羅浮を守ること……ひいては、仲間たち側に付くことだったのではないだろうか。

 

この結論に至るまでに、持明族の背景等の各種設定、各関係者のストーリーやボイスの内容などさまざまな情報を集めたが、それらを提示しながら順に考察を展開すると、とんでもない文量になりそうで臆している。そのため、端折りながら結論だけを書いた。

 

(ついでに、仕事も家族もある中年がそのようなことに多大な時間を割いて良いものかどうか、不安にも思っている)

 

 

彼らは立場や役割が変わってしまっても、自分がおぼろげになってしまっても羅浮を守り続けているのではないだろうか。

 

だとすれば、

景元の「羅浮は仙舟ではない、羅浮は羅浮だ」の言葉も、やりたくもない将軍を続けているのも、彦卿や御空の存在が象徴するような、旧友たちの面影を追うようなそぶりが見られるのもつじつまが合う。

 

また、同時に、刃が景元の育てている次世代を担う若者に対して憎まれ口を叩いたのも、鏡流が孫弟子に剣術を間接的に教えたのも……

ひとりだけきれいさっぱりすべてを忘れてしまい、新しい友人とともに新しい生を生きようとしていた丹恒に刃が憎しみを抱くのも、景元が未練がましいのも納得である。

 

古いものを大事にする価値観のない仙舟人であるのに、彼らが未だに刃が鍛刀したと思しき武器を使っているのも、刃と鏡流が同じ構えで剣を構えるのも、刃が転生後の丹恒に戦い方を教えたっぽいのも、エモくていい。

 

ちなみに、鏡流は少し目的が違うかもしれない。実装前で情報が少なく、確たるものはないが……。

 

真相は次バージョンで明らかになりそうだが、愛憎や私利私欲にまみれた愚かなものではないことを願うばかりである。

 

追記:

やはりもう少し時間を投入して詳細をまとめ直した
興味があればこちらへどうぞ↓

 

h-ichii.hatenablog.com

 

 

さらに追記:

カフカ同行クエで新たに分かったことがあるので、それを加味してブラッシュアップした。
最新の考察はこちら↓

 

h-ichii.hatenablog.com

 

さらにブラッシュアップしたVer.1.2時最終版はこちら↓

 

h-ichii.hatenablog.com

丹恒・飲月の実装後(Ver.1.3)に書いたのはこちら

 

h-ichii.hatenablog.com

 

h-ichii.hatenablog.com