【崩壊スターレイルVer1.5後】雲上の五騎士と飲月の乱関連まとめ
Ver.1.4の鏡流の実装を経て明らかになった種々に衝撃を受けたり、疑問が生まれたり──鏡流、飲月、刃、景元それぞれの視点に立ち返って見直したり、繋ぎ直してみたり。
そうこうしているうちに1.5の情報が出てきて、謎に包まれていた十王司がフォーカスされるということで、関連して情報が出てくるかも……などとしていたら、すっかり遅くなってしまった。
このあたりで、区切りとしてまとめておこうと思う。
抽象的な内容が多いが、深遠なネタバレもある。
自己責任で頼む。
飲月の乱の全容
倏忽の乱で飲月と鏡流、その他雲騎軍の兵を助けるために特攻をかまし死んだ白珠の死を受け入れられなかった飲月君(丹楓)と応星(刃)が、彼女をどうにかして蘇らせられないかと考える。
飲月君は持明族に伝わる秘法「龍化妙法」が使えるのではないか──と考えるが、白珠は数滴の血と千切れた髪しか遺さなかったため、それだけでは難しいと考えたようだ。
そこで、「知恵と知性にあふれた」応星が豊穣の神の使令「倏忽」の血肉が使えるのではないかと思い至る。
しかし、その発想が短命種であった応星を「不死の怪物」へと変貌させる。
ここから先はどんなに見直しても時系列がはっきりしない。
はっきりしないため、想像で補完しながら進める。
不死の怪物へと変貌した応星からどうにかして、飲月君は倏忽の血肉を手に入れ、白珠の髪と合わせて龍化妙法を使う。
その結果、厄龍が生み出される。
無秩序に暴れ回る厄龍を相手どりつつ(たぶん)、前後不覚になって暴れる(だよな?)応星もとい、元応星だった「忌み物」を刺し一時的に動きを止め、鏡流はその隙に呆然自失としている飲月君に詰め寄る。
そして、飲月君から厄龍の弱点を聞き出した鏡流は衣の裾を切り取って視界を覆い、厄龍に立ち向かう。その際に精神的負荷が過ぎたせいか魔陰を発症する。同時に夢に見た宝刀を手にする。
その後、鏡流は刃を百回殺して剣を教え、飲月は十王司に引き渡され幽囚獄に囚われる。
事実ベースに一部、どうしても時系列と詳細が不明な部分をそれらしい想像で補完するとこんなところだろうか。
これまで全く不明だった応星が自己治癒能力付長命種にクラスチェンジした経緯が、はじめて鏡流の同行クエスト中に彼女の口から語られた。
語られたものの、そもそも豊穣の神使の肉体が短命種にとってどういうものであるか、そういうことの伏線がほとんどなかったため分かりにくいのと、飲月が龍化妙法を使って厄龍を生み出したこととの時系列が結局不明で想像で補完するしかなかった点である。
雲上の五騎士の人間もよう
そもそも写真が違ったり(丹恒・飲月と丹楓・飲月はビジュアルが違う)、対する感情が幼少期のものであったり、飲月の乱後のものであったりと時間軸がめちゃくちゃである。
そんなこんなでいろいろ雑なのはご愛嬌だが、ざっくりこんな感じ。
ちなみに、矢印がない部分は関連するエピソードがないか、あっても薄すぎるところである。
鏡流の実装に伴い、明らかになった意外な点は鏡流と刃は種族こそ違うものの、かなり境遇が似ており、鏡流が刃に対して劣等感と憧憬と共感をないまぜにしたような複雑な感情があったこと。
あと、驚くほど飲月君と鏡流の間には何もなかった。
そもそも丹恒・飲月の鏡流に対するボイスはないし、鏡流の飲月君に対する印象や感情は彼の実情とはかけ離れており、鏡流は飲月のことを全く理解していなかった。そのぐらい飲月とは心的距離が遠かったということだろう。
鏡流が飲月に対して唯一的を得ていそうだったのは、これ。
持明族の龍尊は秘法を受け身を造る、ゆえに1000代を経ても変化がない。我に言わせれば、それは天賜ではなく枷だ。彼は最終的にその枷から脱した。あってはならない方法でな……
「鏡流のボイス 丹楓について」より
鏡流らしい穿った捉え方だと思うが、キャラクターストーリーの内容からすると、丹楓の心の奥深くには輪廻から抜け出したいという思いがあったのは間違いない。そのために白珠を利用しようと積極的に思ったわけではないだろうが、結果だけ見ればそう捉えられてもおかしくはない。
一方、そんなことを言っている鏡流も、白珠と飲月、刃を踏み台にして夢にまで見た宝剣を手にしている。
あげく、応星が打ってやった剣で彼を打ちのめし、その剣を投げ捨てるなど刃のアイデンティティを踏みにじっている。自分が師にしてもらったのに倣い刃を奮い立たせているようにも見えるが、その行動は自身のコンプレックスを払拭しているかのようにも見える。
鏡流も飲月もひとつの行動に陰陽両面の感情が介在していそうで、マクロで見れば彼らは同類のように見える。
雲上の五騎士が悲しい結末を辿ったのはなぜか?
代価となった3人組がそれぞれ背景に異なる種の孤独を抱えていたから。
さらに、立場や種族が違っていたためそれに付随する価値観に埋めがたい違いがあった。
さらにいえば、鏡流と刃は良くも悪くも主観が強く、自己の価値観がすべてになりがち。一方、飲月は物事の捉え方が巨視的で未来志向、常人には理解しがたいところがある。
その結果、孤独を癒してくれる友が失われた際の感情の扱い方が違ってしまった。
景元だけが孤独とは無縁なため困難から立ち直る力に恵まれているうえ、感情よりも理性や論理性で物事を判断しやすいパーソナリティ像を持っていたため、比較的冷静に白珠の死と向き合えたものと思う。
刃はなぜ飲月を恨んでいるのか?
今回の終幕で一番謎が深まったのはこの点かと思う。
鏡流は飲月を主犯、刃を従犯と形容していたが、実際は心情的には飲月は迷いのなかにあったものの刃に背を押されるような形でそれをしている。(飲月・丹恒のキャラストより)
実行主犯は飲月でも、心情的主犯は刃である。
自分は刃が不死化したのは飲月のせいだと考えていた。そうでないと現在の刃が飲月(丹恒・丹楓)に抱いている感情に辻褄が合わないからだ。
しかし、彼が不死化したのは身も蓋もない言い方をすれば自業自得だった。
一体、なぜ刃は飲月を恨んでいるのだろうか。
刃がずっと丹恒を追っていたのは、恨みによる行動というよりは、やはり飲月の力を取り戻させるためという現実的な目的のためかと思われる。しかも自らの意思というよりはエリオだったり、鏡流陣営だったりの外部の要請によるものっぽい。景元もまた、利害が一致するのでその船に乗っていた節がある。
一方、刃はそれとは別に明確に飲月を恨んでいる様子が見られるのだ。
ひとりだけ全てを忘れて「自分は丹楓とは違う、別人だ」と言ってのける丹恒に怒っているだけかと思ったが、どうにもそれとも違うっぽい。
力を取り戻し、かすかな記憶と周囲の人間たちによって前世の自分が仕出かしたことを丹恒は大分知ったが、それでも刃の気持ちはきれいに晴れたというわけでもなさそうだ。
刃がなぜ飲月を恨んでいるのか──この問いの手がかりになりそうなものに以下がある。
「つまり、こういうことだ」
敵を皆殺しにしたのは、貴様だ。
愛する者を葬ったのも、貴様だ。
故郷を滅ぼしかけたのも、貴様だ。「刃のキャラクターストーリー」より
鏡流は同行クエスト中に、己の存在を維持するためにすべての感情で最も強い、「憎しみ」を握りしめた。というようなことを言っている。
もしかして、刃も同じなのではないだろうか?
永遠の命を生み出すもの、望むもの、多数の人間を殺める絶対的な力を持つもの……それらは皆豊穣の神だろうがその使令だろうが、それを崇めるものだろうが本質的には一緒。
雷と津波ですべてを薙ぎ倒し、命を生み出し、輪廻する龍尊も同類。
そんな考えに到達したのではないだろうか。
魔陰のせいといえばそれまでだが、なかなか勝手である。
白珠が死んで喪失感とともに少なからず罪悪感もあっただろう丹楓を焚きつけたのは、刃である。刃自身は悲しみを共有したいだけでそのつもりなかったかもしれないが、少なくとも飲月主観ではそうだった。
とはいえ、丹恒の存在は刃にとって数少ない生きている理由となり、支えになっているようだ。
自分は刃が不憫なので「ならば俺も最後まで付き合おう」を選択した。
やはり刃はまんざらでもなさそうだった。
細々とした疑問や矛盾がないわけではないが、Ver.1.4の鏡流実装で大筋は解決したと思う。思っていたよりすっきりしなかったし、後味が悪い感じがするのが少し残念ではある。
この後味の悪さ……なんだろう。
これだな。
結局、人のことを想っているようで人間というのは独善的なのだ、という結論に収束したせいだろうか。
フィクションでぐらい人間のきれいな面だけを見つめたいものだ……
【崩壊スターレイル】鏡流の実装が憂鬱になってきた件
考察などではない。
ただの雑感である。
明日だな。
紀行PV、キャラクターPV、その他公式情報を見ていると、どうにも嫌な感じしかせず気が滅入ってきている。
何が滅入っているって、鏡流の刃への感情が思っていたよりかなり冷え込んでいそうなことである。
特にこの件。
三尺の凡鉄は、とうの昔に捨て去った。
(中略)
形ある武器は身動きを封じる重荷にしかならぬということを。
兵器を作る匠にとって、これは戯言でしかないかもしれぬがな。
(鏡流 キャラクター紹介より)
兵器を作って身を立て、長命種でも持明族でも孤族でもないのに仙舟に貢献してきた刃のアイデンティティを否定するような発言ともいえる。
そのうえで刃自身を自らの手で最強の兵器に仕立てあげたというものすごい皮肉。
強烈である。
鏡流の支配的な性質が垣間見えるし、刃への仕打ちは何か相当の理由があるのだろうなと思わせる。
しかし、どんなことがあったって人のアイデンティティを揺るがすようなことはしてはいけない。存在を否定するようなことはだめだ。
これを見てから、刃が包帯を巻いた折れた剣を抱えて目をつぶっているのを見ると……居たたまれない。
剣が支離となれば
過去は皆空となる
(千の星を巡る紀行PV「雲騎武経・説剣」より)
この台詞からすると、鏡流にとっては刃の打った剣は雲上の五騎士の絆の象徴のようなものであり、拠り所のようなものだったのだろうと思う。実際、景元と丹恒と刃本人は未だそれを使っているからな。
鏡流にそうせざるをえない理由があるんだろうけどな。
きっと悲しみに満ちた理由だろうな。
刃にはこんな有様なのに、景元に対しては
「ここまで本当によくやっている」
「彼に比べ、我は師匠失格だな」
と、なかなか温度差を感じる。
しかも、その景元が鏡流を討たねばならなかったという……
なんだその地獄は。
なにやら水滸伝が思い浮かぶ。
自分は金瓶梅の愚かさとやさしさと人間臭さの方が好みである。
さらに不穏なのは、事前情報の段階になっても鏡流が全く飲月(丹楓)に言及しないことだ。
刃には婉曲的に、景元は直接的に、白珠には印象的に触れているのに、丹楓には決して触れない。こうなってくると触れないこと自体に意味を感じるが、深読みしすぎだろうか。
次に相見えた時…我々は敵か味方か、生きているのか死んでいるのか、果たしてどちらだろうな?
次に相見えた時…今と同じでいられるだろうか?
次に相見えた時…天の星を必ずや斬る。
(鏡流 キャラクターPV 「切先は戻らぬ」より)
これも、ぱっと見た感じ雲上の五騎士の面々に宛てた言葉に見えたが、なぜ3種類しかないのだろうか。
それとも、白珠と飲月は生まれ変わって白露と丹恒になっているので、一緒くたになっているのか…?
PVを見ているうちに鏡流が腕につけている花は飲月を象徴する「蓮」でなく、鏡流を象徴する「月下美人」とかかもしれないなどと思いはじめたが、それにしてもずいぶんクローズアップするな、とも思う。
キャラクターPVで爆発霧散しているのは、
「鏡流、壊れちゃった」という意味なのか?
これだけ目を引くようにしておいて、花自体に何も意味がなかったら肩透かしである。
すっきりしたいので諸々知りたいが、もはや悲しい話しか出てこなさそうで気が滅入ってきている。
こんな時世なので、フィクションでぐらい人間の美しい面を見たいものだ。
【崩壊スターレイル】Ver.1.4鏡流実装! 雲上の五騎士の結末が分かりそう。予告番組を見て気になったことをまとめる
Ver.1.4の予告番組で慣例どおり、鏡流の実装がアナウンスされた。
そのチラ出し情報から察するに、鏡流周りは想像以上に悲劇的な様相で、ちょっと気が滅入った。
姫子が「遠い過去の出来事とはいえ、ちゃんと結末をつけないとね」と言っていたので、どうやら彼女の実装で雲上の五騎士周りはすっきりしそうである。
実装前の最後の機会なので、1.4前のチラ出し情報で気になった点をまとめておきたい。
いつもながらネタバレしかない。
Ver.1.4の公式PVなどから画像も少しお借りした。
参入したばかりの方、いちから羅浮のストーリー、雲上の五騎士、飲月の乱あたりのことをご自身で深めたい方はここでお引き取りしていただいた方がいい。
目次
鏡流と刃は立ち位置が同じのよう
姫子曰く──
鏡流は「魔陰の身の影響で時に狂気に陥り、知覚を禁じて自分のことを何もかもを断ち切る『剣』と見なすようになった」とのこと。
そして、刃は自身のことを「己を摩耗し、敵を切り裂く、それ即ち兵刃」(刃のボイス自分についてより)と言っている。
刃は自分のことを一振りの剣にすぎない、というような表現をしているが、その刃を兵刃に仕立て上げた張本人である鏡流も自分のことをそのように捉えているようだ。
(崩壊:スターレイルVer.1.4特設ページより)
鏡流のどこかに支離剣が登場しないかと期待していたが、どうやらモチーフ光円錐でご登場のようす。
「この身は剣なり」は鏡流のことか、刃のことか……それとも双方のことだろうか。
鏡流が自身のことも「剣」と見なしているのならば、鏡流が刃にあのような凄惨な稽古を行ったのは、「神を斬り殺す手段」を増やすためだと思われる。あくまでも理性的、合理的な理由としては、という前提がつくが。
鏡流の刃への仕打ちはやはりそれとは別に、私情も絡んでいそうな感じがある。
鏡流はやっぱり「飲月」となんか関係ありそう
1.4のPV、鏡流のパートではずいぶんと「飲月」を彷彿とさせる場所とモノがフォーカスされていたように思う。
建木をはじめて鱗淵境で封印した龍尊像の前だが、ずいぶん意味深な構図に見える。
(崩壊:スターレイルVer.1.4PVより)
まあ、同行クエストの舞台がまた鱗淵境っぽいからその流れで、といえばそれまでではある。
鱗淵境は白珠が死に、恐らく刃が不死化した場所で、丹楓が捕まった場所だろうから雲上の五騎士らにとってはまさに因縁の場所だしな。
とはいえ、なんと待機モーションに蓮も登場するよう。
(崩壊:スターレイルVer.1.4PVより)
右上腕部に蓮か睡蓮を付けているのは知っていたが、待機モーションにまで使うとなるとよほど意味がありそう。
龍尊像の前をわざわざ使っているところを見ると、大分昔の話だけどやはり建木を封印した龍尊飲月君と関係があったのかもしれない。5,000年くらい前だが。
書いている人は前からそれを疑っている。
白露=白珠で鱗淵境のこだまの件は解決したが、それでもなお疑っている。
意味深なクローズアップ。
もちろん、別の意味でも最高なショットだが。
(崩壊:スターレイルVer.1.4PVより)
鏡流にとって大事な玉佩っぽい。
白珠の遺品か……?
玉佩といえばどうしても持明族を彷彿とさせるが、丹楓か?
それとも、やっぱり丹楓でない飲月君のものかもしれない。
蓮の下に付けているし、柄が波や水を模しているように見える。
やはり鏡流は過去の飲月君と特別な関係にあったんじゃないだろうか。
だとすると、鏡流の丹楓への感情と丹恒への感情が複雑すぎて、なんともややこしい。
丹楓は飲月君が二度と存在しないようにしてしまったので、鏡流にとっては愛憎が交錯してぐちゃくちゃになっていそうだし、丹恒はあの謎な衣装からいっても原初の飲月君により近い存在である可能性がある。
鏡流にとっては好ましく、愛しい存在かもしれない。
刃は……丹楓に最後の決心をさせた人物なので、鏡流にとってはやはり憎い存在かもしれない。そうでないと願いたい。
鏡流の発言のすべてが悲しみしかない
我が羅浮に戻ったのは同盟に自首し
過去の罪と向き合うため…
ひとたび別れれば二度会うことはないだろう
雲上の五騎士よ、そろそろ互いに別れを告げる時間だ
手のなかの剣は
天地に比べて針ほどの大きさしかない
いかにすれば星を斬ることができるのだろうか
はじめは剣術を磨き
強敵に打ち勝つことをもっとも好んでいた
今は 仇敵の心を痛めつけ
生きているより死んだ方がましだと
思わせることだろうか
1.4PV中と特設ページで聞けるボイスの中身は以上のようなもの。
無常観と怒りと悲しみと憎しみしかない。
これが魔陰か。
何点か気になるところがある。
「過去の罪」とは何か
景元との戦いのことを言っているのであれば特に問題ないが、それ以外の罪のことを言っているとすると話が変わってくる。
姫子によると、鏡流は魔陰に落ちる前、幽囚獄に入っていたようだった。
もしかすると刃の自己治癒能力付与に関わっているのは鏡流かもしれない。
※書いている人は刃の不死化は丹楓の龍化妙法によるものと考えている
詳しくは下記で書いた
「ひとたび別れれば二度会うことはないだろう」……誰とだ?
普通に考えれば雲上の五騎士のことかと思うが、過去の飲月君のことではあるまいな?
という印象を受けた。
「仇敵」……薬師やその指令のことだよな?
生きているより死んだほうがマシだと思っている刃がいるので、ちょっとヒエッとなった。まさかそんなに憎んでいる、などということはないと思いたい。
景元もそうとう複雑そう
Ver.1.3のラストであんな不穏な登場の仕方と発言をし、景元も睨みつけてその腹を探っていた様子だったが──
Ver.1.4のPVではこうである。
(崩壊:スターレイルVer.1.4PVより)
恐らく鏡流の攻撃を受けていそうなのだが、構えるどころか避けもしない。
これでは泣いていると言われても驚かない。
刃ちゃんは珍しく必死の形相で戦っていたしな。
鏡流は何もかも断ち切りたいようなので、当時のまま存在している景元と刃は抹殺してしまいたいのかもしれない。そうでないと過去に後ろ髪をひかれ、魔陰が触発されて星神を斬り殺すという新たな道に邁進できないのかもしれない。
まとめ
雲上の五騎士と飲月の乱にまつわる逸話は、刃、丹楓、白珠、景元、鏡流の誰を主観にしてもただただ悲しい話。
戦わずに済む未来とその道筋を模索していそうな、丹楓、刃、景元の3人と鏡流は道を違えていそう。白露と丹恒がよき仲介人になってくれることを願うのみ。
雲上の五騎士や御空のような将官クラスでさえ、長引く戦乱のなかで全員が「無常」に辿り着いているのに、元帥や他の仙舟のお偉方はこの現状をどう思っているのだろうか、と思う。
景元がPV中で彦卿に対して「今時の若人は好戦的だね、甘すぎる」というようなことを言っていたかと思うが、そこに凝縮されていると思う。
戦って勝つことで何かを得られる、変えられると思うのは経験や思慮が足りていない証拠だ。
今後の仙舟の物語では「魔陰の身発症問題」も進展がありそうなので期待したい。
そして、些末だが切実な現実問題としては、鏡流のストーリーとボイスをすぐに見たいので引きたいがかなりきつい。
まず、同種の誘惑に負けて丹恒・飲月を引いてしまったあげく、無羅刹で戦力的に必要だったので符玄とモチも引いている。かわいいし強い。満足している。
鏡流もすごくいいが、戦力的にはトパーズの方がより欲しい。
こうなってくると石はもちろん、育成素材が足りない。
特に、遺物関連が原神よりシビアで重い気がするのは気のせいなのか……
景元(INTP)の恋愛観を心理学的視点で考えてみた
縁あって崩壊スターレイルをはじめ、そこで雲上の五騎士という格好の考察材料に巡りあい、ここひと月ほど楽しい時間を過ごしている。
リクエストを貰って書いた、雲上の五騎士の面々のパーソナリティと人間関係の考察について興味深いことが起きている。
景元についてのアクセス数がぶっちぎりである。
不思議だ。
景元は情報量も多いし、分かりやすいと思っていたので意外すぎた。
商業的な人気も刃や丹恒(飲月・丹楓)よりも少し劣るだろうし、鏡流よりは大分劣るのでは……などと考えていたので驚いている。
それを知人さんに話したら、さらに意外なお言葉が返ってきた。
彼女曰く、確かに景元の性格や人間関係が一番訳が分からない、というかしっくりこない感じらしい。
自分は景元のパーソナリティを、内向性が強い点、比喩を多用する喋り方などから抽象思考が得意、論理的な判断と柔軟なところが目立つのでMBTIならばINTPとした。
INTPっぽさを凝縮しているのが、キャラクターストーリー1の冒頭部である。
「太卜殿に教えを請いたい。この星陣棋、なぜ棋盤は四角く、棋子は丸いんだ?」
「天円地方に倣っているのか?古人の文明が開化する前、人々は大地が平坦であると信じていた。列国の逐鹿、大地を一統した過去を模倣しているのであれば、星陣棋も当然四角くなる。そして棋子は…あの時代の人々は、天は球状の蓋だと信じていた。この棋子も星辰の流転に倣っているから、自然と丸くなった……」
「いや、違うか」
景元のキャラクターストーリー1より
自分で疑問を提示し、自分で仮説を立て、自分で反証する。
あらゆる事物と事象に興味があり、ありとあらゆる場面でそれを行う。何に使うとかは関係ない。考えること自体が目的である。
そしてそれなりに親しい人間の前ではそれを気まぐれに口に出し、軽くあしらわれるところまでがお家芸。だが、悪びれず全く気にしない──。
これがINTPでなく、何だというのだろうか。
書いている人はINTPである。
INTPでは少数派のINTP-A、年食った分だけ外向性も感情面も大分伸びている自覚があるし、エニアグラムのトライタイプは258っぽいのでINTPのもっとも一般的な像とは少し違うかもしれない。言うなれば、よりアグレッシブで人間に興味があるINTPである。
だから景元のことも何となくわかりやすいと勘違いしているかもしれない。
そうだった。
INTPは人格が発達すればするほど、とっつきやすく親切で温和になれる。
軽い付き合いならば、変人ぶりが露呈せず、「温和で控えめないい人」という本性からかけ離れた称号も得ることができる。
しかし、それなりの社交性を身に着けたところで変人要素が損なわれることはない。
それどころか、年齢を重ね知識と経験が積み重なって論理が洗練されていけばいくほど、変人具合も洗練され、よりエレガントになっていくだろう。
景元は長命種というファクターも相まって、大分完成したパーフェクトに近いINTPに見える。
だからこそより訳が分からなく見えるかもしれない。
今回はそんな景元を題材に、INTPに関する項目の中でももっともブラックボックスな恋愛と恋愛観について考えてみたいと思う。
目次
恋愛より大事なのは「原理」
物事の判断が感情でなく、論理。
しかもINTPは論理派グループのなかでも、緻密な論理性を有していると言われている。
これは主機能にTi(内向思考)、第二機能にNe(外向直観)を備えているためで、この世のすべてスキャンするようにして情報を蓄積し、それらのつながりや背後に流れる普遍的な事象、概念を弾き出す。
そうして自分の内側にパンパンに詰め込んだ膨大な情報と知識と、そこから導き出した洞察を複雑極まりない論法で処し、あらゆる視点や要素が検討された整合性の取れた新たな結論や可能性に到達する。
それがINTPの中で常に起きていることだ。
最大の興味関心はこの世を動かしている原理を解き明かし、真理に到達すること。
原理がINTPの神である。
衣食住などの生活に密着した細々としたこと、感情交流などの情緒的なこと、権威や地位など社会的なことなどには興味がない。基本的に現実世界には興味がないのだ。
それらについてツールやプロセスとして、一時的によく考えたり調べたりすることはあるので衣食住などの分野にも精通していたり、興味関心が高そうに見えることがあり、確かに誤解を招くことがあると思う。
しかし、すべての具体的な事柄は原理のための通過点にすぎない。
人と温かな情緒関係をつくり、維持発展させることに高い価値を置いているパーソナリティグループからすると信じがたいだろうが、こういう変人が本当に存在している。
変人なので数が少ない。いろんなデータがあるが、総合するとどこの国、いつの時代でもだいたい3%ぐらいというのがいいところ。単純に学生時代、1クラスに1人いたかいないかぐらいだと想像しやすい。
そりゃそうだ。こういう人間が多数派だったら社会は成り立たない。
生物学的視点では、INTPみたいなパーソナリティを持つ人間は種にとってはいわゆる「保険」のようなものでないかと自分は思っている。特別でもなんでもない。希少種だからどうということもない。違う役割を持っているだけだ。
INTPは「孤立してしまう」などと言われていることがあるが、孤立してしまうことに本人は何の苦も感じない。ただ、孤立すると社会的に不利益があることがある、というだけで、「孤立」は許されるならばINTPにとっては自然な状態で、ともすれば心地よい状態でさえある。
こんなパーソナリティに「恋愛」がどれほど重要だろうか。
しかし、INTPとて人間だ。生物としての本能も有しているため、恋愛に全く興味がない訳でない…はず。
自分の感情を認識するのは苦手だが、感情がない訳でもない。たぶん。
ただ情緒問題──とりわけ、恋愛のような濃くて複雑な案件は優先順位は下がっているというのが実情かと思う。
容姿に恵まれれば、おのずと機会は多くなる
そんなINTPが恋愛という舞台に出てくるのは、「引きずり出された」場合だろう。主体的には出てこないだろうと思う。
もしくは、本人は好奇心を端緒にした興味を表明した結果、相手にそれを恋愛感情と勘違いされた場合──すなわち、本人は恋愛の舞台に出てきたつもりではなかったのに、間違えて上がってしまった場合のどちらかしかないと思う。
そのどちらにしても、容姿に恵まれていれば機会は多くなる。
景元は公式で美形設定があるようなので、舞台に引きずり出されたり、無自覚に上がっていることは多いのではなかろうか。
単純に機会が多くなれば、そのうちにINTPの価値観や美的感覚、興味関心にフィットする相手と出会い、恋愛関係に発展することがあるかもしれない。
景元の場合をとりまく人間関係をおさらい
景元の人間関係に登場している人物を挙げてみよう。
現在の人間関係
<羅浮関係者>
符玄
彦卿
御空
青鏃など神策府の人間
<列車組>
ヴェルト
なのか
丹恒
開拓者(星・穹)
※姫子とは接点がないはず…
過去の人間関係
刃(応星)
飲月(丹楓)
鏡流
白珠
結論から書くと、恋愛関係に発展しそうなのは、この面子で考えるならば開拓者(星・穹)だと思う。
銀河を旅しており、ごみ箱に執心しているうえ美学と哲学を有しているなどどうしたって景元の好奇心をそそる。
自分はINTPだが、開拓者(星・穹)のように独自の哲学を持っている人間や、単なる反骨心以外の理由で常識から外れた言動をしたり、空気を読まない率直な人間は面白く、自分から積極的にいってでも親しくなりたいタイプだ。
次点で丹楓、丹恒、刃あたりかと思う。
丹楓や丹恒は物の見え方や考え方が近いので無理なく時間を共にできる。
詳しくはここで書いた。
個人的には丹楓、丹恒はその感受性の鋭さや、深いやさしさがすごく魅力的に映るが、同時に「脆さ」が心配になる。しかし、感情面ではただのポンコツなので結局何も力になれず、景元みたいに曖昧に笑ってごまかし、裏でため息をつくだけになりそうな気がする。
MBTIの教科書的には刃は候補にあがらないが、自分と身の周りのNTを見るにどうもパートナーにIS-Pを選ぶ傾向が見られる。
詳しくはここで書いた。
改めて景元周りの人間を見渡し、自己投影してみるとやはり自分の目には刃が一番魅力的に映る。
刃が何か夢中になって作っている傍らで黙って本を読み、たまに視線を上げ、その手元を黙って眺めるなどしたい。そして仕上がった作品についてあれこれ論表したい……などと思う。
表面的な軽い話題でなく、しっかりと対話を楽しめそうなのはヴェルト、飲月(丹楓)あたり。ヴェルトは本当に友人になりたい、と書いている人は思う。
接すると微笑ましい気持ちになっていそうなのは、白珠、なのか。
明るい気持ちにさせてくれそうだが、ふたりきりで長時間過ごすとなると特性が違いすぎて互いに苦痛を感じそうな気がする。
個人的には白珠やなのかのような女性はとても好きだ。自分の時間の使い方やパーソナルスペースについて理解を得られるのなら、彼女たちの恋愛相手の候補にして欲しいとも思うが……うまく事を運べたとしてもなんだかんだで結局愛想をつかされる気がする。それか、捨てられないように頑張った結果、無理をしすぎて自壊してしまいそうな気がする。
符玄や彦卿はまさに子どものようなものだと思う。
刺激を受けることもあるし、それ以上にうまく導いてあげたいというか……自分を踏み台に大きく成長して欲しいと思うことが多いんじゃないだろうか。
景元を落とせそうなのは、星・穹
景元と類似のパーソナリティを有していると思われる、書いている人の独断と偏見によれば、景元と恋愛関係に発展しそうなのは星・穹。
しかし、あくまでも「落とせそうなのは」である。
INTPと思われる景元自らが積極的に言い寄ってくることはなさそう。
そもそも恋愛が重要でないパーソナリティのうえ、長命種であり数百年……場合によっては千年単位で生きていそうなことを考えると限りなく恋愛に対する興味は薄いと思う。
好奇心がそそられるかどうかが、関心が向くかどうかの基準だと思う。
オマケ INTP本人が恋愛という舞台に飛び込みたい場合
INTP本人がどこか変なスイッチが入り、とち狂って恋愛などしてみたいと考えているのなら、スタートで大事な要点は以下2点かと思う。
・外見を整える
・自分から積極的に好意を表現する
まずは清潔感を重点において身だしなみを整えることが必要かと思う。
そして、親しくなりたい相手が見つかったら、その好意を端的に率直に伝えることが大切だ。受け身では何もはじまらない。
自分はアグレッシブINTPなので恋愛だろうが、友愛だろうが親しくなりたい相手がいたら、いつもこう言ってきた。
「あなたに興味がある。今度一度食事に付き合ってくれないか」と。
意外なことにこう言って断られたことは一度もない。
同姓にも異性にもだ。
そうやって食事にお付き合いいただいたESFJと思われる知人が言っていたが、曰く、興味を持ってもらえることは好意を向けられているのに等しいらしい。
だから、率直に「あなたに興味がある」と言ってもいいのかもしれない。
また、INTPが実際に恋愛関係や結婚生活に入る前には、相手に必ず説明し、理解を得られるかどうか確認しておいた方がいいことがある。
自分には多大なひとりの時間が必要であり、それと相手を大事に思う感情は決して矛盾していないことをだ。
何なら、人並みの情緒交流や愛情表現を欲しているのなら、自分は不適格であることも事前に言っておいた方がいいかもしれない。その代わり、問題解決手法や、今までにない新しい視点など別のものを進呈できることも。
その辺りの説明と理解が不十分だと自分も相手も無駄な時間を過ごし、相手が感情優勢タイプの場合には耐え難い苦痛を味わわせることになるかもしれない。
そして、私たちINTPは感情的に罵られると、とんでもない冷やかな言葉を浴びせるか、全てを捨てて黙ってその場から立ち去りかねない。
悲しいすれ違いを生まないために気を付けたい点である。
INTPを落としたいと思っている他のパーソナリティグループの人は、まずはひとりの時間をたっぷり与えてやれるかどうか、よく考えた方がいい。
天地がひっくり返ろうとも、INTPの時間の使い方は変わらない。無理強いすればINTPは大抵は少しの間我慢するだろうが、最終的には見たことがないくらい感情を爆発させて壊れる。
また、情緒的配慮や愛情表現は望めない。
誕生日を祝ってもらったり、一緒にクリスマスを楽しんだりも期待できない。
誕生日やクリスマスの起源を語りはじめ、それに対する持論を聞かされるだけだ。
一緒に旅行に行くことも期待できない。
外向感覚が弱いINTPに旅行好きは少ないと思われる。人びとが旅行で得ている体験や刺激は、INTPは主に読書によって得ている。
自分のことをよく分かっていなかった若い頃、パートナーとの旅行の最中に、あまりにも持ってきた本が面白すぎて外出の予定を全てキャンセルし、あげく飛行機に乗り遅れて翌日の仕事に穴を開けた。
旅行中に外的刺激に疲れ、静かな時間を欲するあまりホテルから一歩も出られなくなったことも一度や二度ではない。もちろん、ふられた。
申し訳ないとは思っている。思ってはいるが、どうにもならないものはならない。
自分で書いていて思った。
INTP当事者だから言っていいと思うのだ。
この人たち、一般的な価値基準では、恋愛対象としてあまりにも残念なのでは?
というわけで何か特殊な事情や癖がないかぎり、恋愛対象にINTPはおすすめしない。
結婚相手としては案外使えるかもしれない。
問題解決能力が高いうえ、成熟した健全なINTPは強メンタルである。
危機的状況に強いので頼りになることが多いかもしれない。
平時はポンコツで間違いない。
【崩壊スターレイルVer.1.3後考察】飲月の乱の真相と顛末(丹恒・飲月実装後再考)
丹恒・飲月の実装により「飲月の乱」のおおよその流れは明らかになったものの、
短命種で恥ずかしがり屋だった応星が不死の刃(自己治癒能力付)にクラスチェンジした経緯・理由
というもっとも根本的な問題が置き去りになっている件について、ここ数日でもやもやがいっそう膨れ上がっている。
Ver.が進むにつれて少しずつ情報は増えてきているので、今一度情報を整理しつつ整合性の取れるラインを探ってみたい。
ネタバレどころか深遠な情報がてんこ盛りである。
画像も少しある。
自己責任でお願いする。
目次
分かってきた飲月の乱の概要
数百年前、豊穣の指令、倏忽が建木を狙って羅浮に攻め込み、鱗淵境で激戦が繰り広げられる。
この戦は客観的評価としては開拓クエスト中で亭雲が「半数の洞天が崩れ、ほとんどの雲騎兵が殺されてしまった」言っていたとおり、かなり厳しい戦況だったようだ。
飲月・丹恒のキャラクターストーリーによる回想によると、現場には、飲月・丹楓、鏡流、白珠が出陣しており、白珠の特攻によって辛くも勝利を収めている。
景元、刃に関する言及はないが、その際のことを刃が同回想内で「彼女がお前と鏡流を救うと選択したように…」と戦況をその目で見ていたかのように言っているので、刃は現場にいたのではないかと思う。
飲月は、かねてから戦場で散る命やその仲間の心情を慮って心を痛めるようになっていた。そのような状態で自分の大事な仲間である白珠が、自分や鏡流、その他大勢の兵を生かすために目の前で壮絶な死に方をしたことは、相当な衝撃を与えたようだ。
その直後か、その後少し経ってからか定かではないが、刃を伴って鱗淵境の宮殿跡の深部に入り、白珠の残したわずかな血を埋葬したり、「長らく誕生していなかった新生を創造したりした」らしい。
そして、刃の言葉に背を押されるようにして、「龍化妙法」を他種族の何かに使い、厄龍を生み出したようだ。
「飲月の乱」はその厄龍が大暴れし、鱗淵境の大半を壊滅させ、あわや建木の封印を壊すところまでいった騒動のことを指していると思われる。
厄龍は白珠か?
実は、これは今ある情報だとはっきりしない。
厄龍が飲月・丹楓が「龍化妙法」を持明族でない他種族に使った結果であることは、複数人の証言から明らかだが、誰に…または、「何」に使ったかは定かでない。
白珠はすさまじい火力の何かを掲げ、自身もろともあたり一帯を灰にすることで倏忽を討ったようで、千切れた数本の髪と数滴の血しか残さなかったとある。
しかも、丹楓は「血」に関してはそれを埋葬しているようなのだ。だとすれば、白珠のものは千切れた数本の髪しか残っていないことになる。
数本の髪から厄龍を造り出したとなると……丹楓の創造力、そして「龍化妙法」恐るべしであるが、ちょっと違和感を覚えずにはいられない。
そこで、まずは厄龍に関する情報をおさらいしてみよう。
・厄龍は飲月が龍化妙法で作り出した
・龍化妙法は他種族に使われた
・厄龍は飲月の親友たちが力を合わせて殺した→最終的には鏡流が討った
・厄龍の姿は「龍に似た頭部に、長い鬢と獣毛」「水銀のような瞳」
先にも書いたとおり、飲月が龍化妙法を他種族に使った結果、厄龍が造り出されたのは複数の証言があるので間違いない。
ただ、他種族の髪をもとに造り出したのなら、そう表現しそうなものだ、とは思う。
丹恒・飲月の同行クエストでは、クソ意地の悪そうな龍師と思しき持明族が以下のように言っている。
厄龍が白珠の髪を元に造られたのなら、龍を殺した親友たちとは鏡流、刃、景元だろう。
龍師らしき蜃影がそれに丹楓を入れて言っていないし、丹楓が厄龍を生み出した経緯をふまえると彼はとても攻撃できなかったのではないかと思う。たとえ自分の一族の聖地が壊滅に追い込まれ、建木の封印まで破壊されそうだったとしても。
同じ理由で、刃も攻撃できなさそうである。鏡流や景元と違い、刃は飲月と行動を共にしていた側だ。その心情が飲月により近かったがための選択だったことは想像に難くない。
それに、そもそも刃(応星)は兵器を造り、戦場では兵器の整備を主導する役割だったようなので、剣を手に生身で龍と戦うというとかなり無理がある。
さらに、飲月・丹恒のキャラストによると、刃は厄龍出現前ですでに満身創痍だった様子がある。しかも、整備兵でけっこうな年齢だっただろうに、剣を手にして丹楓を護衛していたわけである。満足に戦えなさそうだ。
実際、厄龍を仕留めた様子は詳細に描かれているが、今のところ鏡流の姿しか確認できていない。
雷鳴のような声が忌み物の口から龍淵境洞天全体に引き渡る。
千本もの剣がぶつかりあう音にも劣らず、強い振動が空気を介して全身の骨まで震わせる。
忌み物がずしんと地面に落ちた。
必死に恐怖の気持ちを押さえつけないと、まともに観察することすら叶わない。
龍に似た頭部に、長い鬢と獣毛が揺れている。
水銀のような瞳をじっと見つめると、そこに僅かな恐怖が潜んでいることに気づく。
逃げ出したいが、逃げ場がない。空気が急激に冷えていく。
誰かの残像が揺らめき、空中に残像を残す。
一人の女性が厄龍の頭に飛び乗った。彼女は一筋の冷たい光を握りしめ、振り下ろす。
その瞬間、彼女の目を覆う黒い布が解け、顔が見えた。
彼女の口元が微かに動く、「すまない」と言っているのか?
聞き間違いではない、それはあなたに対する謝罪でもあった。
何故なら、次の瞬間、鋭い氷の波が月下美人のように空中で咲き誇り、あなた含め、
周囲の一切合切を凍結した。
(持明族の卵の記憶より)
分からん。
分からんが……自分は何となく、やはり「厄龍」は白珠でなく、刃ちゃんなのでは?
と思っている。
次の項以下で詳しく書く。
歴史から消された刃ちゃん
後に「飲月の乱」と言われる事件と思しき最中に、刃が飲月の護衛として側にいたらしいのは丹恒・飲月のキャラクターストーリー3から読み取れる。
また、景元の発言によれば刃は現在でも仙舟の重罪人扱いのようである。
『飲月大逆判牘』によれば、「罪人丹楓、賊を擁し禁を犯す、不死を求め、兵禍を招く」とある。このなかの「賊」は刃のことを形容したものかもしれない。
しかし、飲月が大罪人扱いなのに対し、同じく雲上の五騎士であり、個人的功績からいってもそれなりに名が通っていただろう応星が無名の賊扱いなのは少し違和感がないだろうか。
もちろん、羅浮持明族の龍尊であった丹楓の方が目を引くだろうし、現実にそれを行ったのは丹楓なのだが……。
刃が公的にどのような扱いとなって罰せられたのか、全く不明なのである。
意図的に隠されたのではないかと勘ぐってしまう。
エリオによれば、彼の剣術と不死の身体には重要な用途があるらしいの。
剣術が鏡流のものであり、ゾンビアタック稽古で身に着けたことは、刃のキャラストで明らかであるし、鏡流と刃は全く同じように構えて剣を振るうのが戦闘で視覚的にも確認できる。
そして、伝承されていく雲騎軍の武芸のなかでも、素裳の母さんと同じ流派っぽい鏡流の剣術は重要かつ特別っぽいものであることも示唆されている。
また、刃の不死の身体は他の長命種や魔陰の身とも違う、何か異質なものであることも明らかだ。
通常の長命種は自己治癒能力は持っていない。
すでに関連記事で何度も書いたが、刃の治癒能力は天賦「倏忽の恩賜」なので、恐らく倏忽(豊穣の指令の名)由来のもの。
しかし刃は、倏忽と直接的に接点があっただろう「倏忽の乱」を白珠の犠牲もあって何事もなく切り抜けた風である。
龍化妙法、刃にもかかっているのでは?
薬王秘伝のお偉方だった丹枢関連のクエストによれば、「龍蟠蛟躍」は強化人間化するとある。ただし、短命種が摂取した場合、その反動で急速に老化するとも。
その「龍蟠蛟躍」の薬理は龍の血族の力を汲み取り、それを自分に取り込むというものらしい。
そして、今回明らかになった丹楓が使った龍化妙法は「龍血に眠る力を呼び覚まし、異なる種族の血脈に組み込む」もの。
「龍蟠蛟躍」の上位互換というか、真髄ともいえるものではないだろうか。
また、丹枢関連のクエでは短命種が「龍蟠蛟躍」を摂取し、その反動で急速に老化した場合はその薬理からいって解毒することは不可能で、豊穣の力で抑えるしかないとも丹枢が結論づけている。
どうも自分には、刃ちゃんのケースは、「龍蟠蛟躍」と「薬王秘伝の丹薬」の上位互換バージョン、「龍化妙法」と「倏忽の恩賜」の結果に見える。
丹楓が他種族に龍化妙法を用いたことで造り出された「厄龍」は、建木の封印を壊しかねなかったという。
我々もゲーム内で体験しているが、古海に沈む鱗淵境の宮殿はけっこう広い。
厄龍は無秩序に暴れた結果、偶発的に建木に迫ったのだろうか。
そうではなく、ある明確な意図をもって建木に迫ったのではないだろうか。
「建木を見ろ。まだ生きている。建木がそびえ立つ限り、化け物どもは…何度でも押し寄せて来るだろうな。仙舟人、狐族それから持明族と忌み物の戦いは永遠に終わらないんだ」
(丹恒・飲月のキャラクターストーリー3より)
厄龍となった刃ちゃんは、建木を切り倒したかったのでは?
長命種と狐族、それから持明族のために。ひいては、鏡流と景元、丹楓のために。
最後になるが、厄龍の目は「水銀のよう」と表されている。
応星はショートアニメ「玄黄」によれば、黒か紺か……定かでないが濃色の瞳の色をしていたようだ。
ところが、現在の刃ちゃんの瞳は朱色である。必殺のときにクローズアップされるのが印象的だ。
自分は化学はてんで駄目なのでよく知らないが、ググったところ自然水銀は朱色っぽい赤系らしい。
結論ありきの歪んだ目で見れば、朱色の印象的な虹彩はどこか爬虫類を思わせる。
Ver.1.3後に見えてきた飲月の乱の真相、顛末はこうかもしれない
倏忽の乱の後、丹楓は刃を伴って鱗淵境を訪れた。
勝手に海を割って宮殿に入ったものだから、それを感知した神策府により雲騎軍が派遣される。鏡流、景元が鱗淵境へ向かう。
反乱と目され、雲騎軍に追われる護衛役の刃と龍尊近衛たち。
丹楓は刃の言葉に背を押されるようにして、龍化妙法を使って白珠の髪から白露(卵)を創造する。
そこへ鏡流が到着。
何をしているのかと問い、飲月が答える。
ここは龍尊しか入れない。白珠に会いたくなったら百年後か、そのくらいにここに来るといいとか言う。(鱗淵境のこだまの件)
鏡流が飲月に向かって剣を振るう。飲月は避けないと思う。
そこに庇うようにして応星が割って入る。
応星が支離剣に胸を貫かれる。(この場面)
(ショートアニメ「玄黄」より一幕)
衝撃を受けた飲月が、とっさに応星にも龍化妙法を使う。
長命種である狐族の白珠は問題なかったが、短命種の応星の細胞は耐えられず、応星が厄龍化してしまう。
鏡流と景元が力を合わせて戦う。この時点では飲月はショック状態で応星を攻撃したりはできないと思う。
鏡流がとどめを刺す。厄龍が人型に戻るが、刃ちゃんが死にそう。
飲月が過日の倏忽の影響で勢いを増していた建木の何かを(実とか?)を刃に摂取させる。
飲月は連行される。
魔陰の身になった刃ちゃんを正気に戻すために鏡流がしばき倒す。
景元が龍化妙法の秘密を知りたいがために丹楓を失いたくない龍師の派閥に目を付け、そこを利用して十王司の思い通りにならないようあれこれ画策する。
十王司の判決を覆し、処刑でなく強制脱鱗と島流しを勝ち取る。
丹楓に見舞いがてら報告するも、丹楓は一言もしゃべらず。
強制脱鱗が施行される。
百年ほどの時を経て、丹恒が生まれる。その間に景元が将軍になる。
権力を手にした景元が薄暗い幽囚獄を訪れると、丹恒の瞳に陽光より明るい光があるのを見る。(丹恒・飲月のモチ光円錐より)
景元は、丹楓のことを思うならあのまま死なせた方が良かったんじゃないか……という百年来の悩みから解放される。
島流しに向けて、雲騎槍術を教えたりあれこれ準備させる。
今(Ver.1.3前半)出揃っている情報をつないで、整合性が取れるラインだとこのあたりじゃなかろうか。
今ある情報でもっとも謎なのは、刃ちゃんに豊穣関連の何か……倏忽の恩賜をもたらしたのは、「誰」でそれが「何」であるかだ。
刃ちゃんは歩離人に故郷を滅ぼされ、家族をひどい形で奪われたようなので自身に豊穣の力が授けられたことは耐え難い苦痛であるだろうし、ひどい冒涜のように感じるのではないだろうか。
上記の筋書きではそれを飲月としたが、もしかしたら鏡流かもしれない、とも思う。
鏡流は神を斬り殺すことを目的としているようなので、その哲学は言うなれば「力こそ正義」だ。
荒れ狂う刃ちゃん(厄龍)が建木に迫る様子を見て、「これだ!」と思ったかもしれない。
それに、鏡流からすると、刃が飲月を焚きつけたあげく、破滅に追い込んだと思ったかもしれない。
白露=白珠だとしても、自分はやはり鏡流と飲月の間にも何か因縁がありそうな気がしている。
この二人間のエピソードだけ不自然なくらいに未だ出ていないし、月モチーフ全開のお衣装の鏡流が腕に睡蓮を付けているのはやっぱりちょっと気になる。
丹楓は刃の言葉で最後の一線を越えてしまったようだし、丹楓の行いは「飲月君」が二度と存在できない状態にしてしまっている。鏡流がもしも丹楓でない、過去の飲月君と縁があったのなら、この二人のせいで飲月君は永遠に失われたことになる。
何にせよ、悲しい話にしかならない。それはもはやこの時点では確定している。
気持ちが滅入ってきた。
戦争はいけない…… 争いに意味はない。
実際に起きたことは悲しく、救いのない悲惨なものである線が濃厚になってきたが、その裏で動いていた心理はやはり美しいものであるような気がしている。
「飲月の乱」の考察をはじめた、一番最初のときにこう書いた。
彼らは立場や役割が変わってしまっても、自分がおぼろげになってしまっても羅浮を守り続けているのではないだろうか。
具体的に起きたこと、その経緯などは新情報が明らかにつれて二転、三転しているが、結局のところ、こういうことなんだろうと思う。
景元は策略と知謀を駆使し、時にはわが身も顧みず行動し、優秀で正しい心の在り方を持った後発を育成することで羅浮を実務的に守ろうとしているし、
刃には大局を左右する立場も資質もなかったが、自身が最強の兵刃となって羅浮が戦わずに済むのを実現できそうなマクロな組織で仕事をしている。
立場も力もあった丹楓は、自身と引き換えに持明族に他種族とひとつになっていくという先鋭的すぎて凡人には受け入れがたい可能性を提供するとともに、
破壊に向いた強い力は自分が引き受けて争いに使われないようにし、人を守り育む力だけを受け継ぐ龍尊を生み出した。
そして、その新しい龍尊は別種族である長命種の宿命である、「魔陰の身」発症問題に真摯に取り組もうとしている。
そして、さらに……丹楓の生まれ変わりである丹恒はまるで何かに導かれるようにして、ナナシビトとなり、より自由な立場で世界を危機から守ろうとしている。
丹楓が使われないようにと自身の中に封じたっぽい強い力は、丹恒によって正しく使われそうである。今回、実際に景元を直接的に助け、羅浮を守った。
鏡流は争いの大元である神を斬り殺すという、過激な手段で戦争の悲惨さを遠ざけようとしているようである。そのために手段は選んでいないようだ。
景元の化け物級の強メンタルと先を見通す力もいいし、それとは正反対の刃ちゃんや丹楓の繊細な感性と自己犠牲も厭わない深いやさしさもいい。
鏡流の強さと弱さを裏表に合わせたような過激な感じもいい。
それぞれ自分の信念をもって、それを貫いている姿がいい。
しかも、その信念を下支えしているのは友人の存在というのがまたいいと思うのだ。
白珠は飲月と鏡流を救って死に、
飲月は白珠を姿を変えてふたたびこの世に呼び戻し、
刃は飲月を庇って鏡流に刺され、
飲月はまた刃を再生し、
鏡流は神を斬り殺すために不死身の刃を最強の剣士に仕上げ、
消滅したそうだった丹楓を景元が生まれ変わらせ、
魔陰落ちした鏡流を景元が討つ(打ち損じた)……
一部、今の時点だと想像ではあるが、皆エゴ丸出し、どっちもどっちで大変人間臭くていいと思う。皆同罪。
そうなってしまうくらい、お互いに大事で特別な存在だったんじゃないだろうか。
しかし……この話、いつか本当に全貌が明らかになるんだろうか。
羅浮編はなんだかすっきりしないまま終わってしまった。
景元が何やら意味深なものをくれたうえ、不穏なムービーも見せられたところをみると、続きがあるんだろうけどな。
キャラカードが公開されたので慣行どおりであれば次のバージョンで鏡流が実装されるだろう。ただ、刃、飲月・丹恒のキャラクターストーリーを見るに、また断片的な情報しか出てこないだろうと思う。鏡流も魔陰に落ちてるしな。
刃の同行クエストと合わせてすべて補完する形で来るんだろうか。
引っ張られすぎると燃え尽きてしまうので、早めにお願いしたいところだ。
【崩壊スターレイル1.3後考察】白露は白珠をもとに飲月・丹楓が生み出したっぽい
前回、さらっと「白珠が脱鱗して白露になったとして」と書いたら、そこもっと詳しく! と言われた。
前回書いたのはこれ↓
誰もが白珠=白露と思っただろうと思って当然のように書いたけど、確かによく考えたらけっこう論理は飛躍していた。
なので改めて整理して考えるためと、知人さんに奉納するために詳しく書いた。
せっかく整理したのでネットにも置いておく。
ブログが見やすいしな。
今回は仕事中にサボって(※書いている人はフリーランスです)作業したので画像も適当だがのせた。
あと、刃に関して新しいことに気づいたので最後にこっそり載せておく。
ネタバレ注意というか、深遠なネタバレ以外の内容がない。
Ver.1.3の開拓クエスト、丹恒・飲月の同行クエストをやっていない人、丹恒・飲月のガチャを性能以外の理由で絶賛回し中の人はいったんお戻りいただいた方がいい。
- 頑固で冷たい飲月君は、繊細でやさしい天才だった
- 白珠の死と刃の言葉が丹楓の背を押してしまった
- 白露は丹楓自ら指名した後継者
- 丹楓は争いに使う破壊の力は自分に封印して、命を守る力だけを継承させた龍尊を生み出したかったのでは?
- まとめ
- オマケ 刃に関して気づいたこと
頑固で冷たい飲月君は、繊細でやさしい天才だった
自己流アレンジを加えた龍化妙法で厄龍を造り出し、鱗淵境の大部分を壊滅させ、あわや建木の封印まで……という大惨事を引き起こし、一族の期待を裏切って大罪人に堕ちた飲月君は持明族の皆さんにはすこぶる評判が悪い。
(いずれも丹恒・飲月同行クエより)
冷たく孤独。
頑固。
確かに丹恒・飲月のキャラクターストーリーでは
雲に懸かっている自分にとって、軍陣は蟻のように小さく、雲車と星槎は火に向かって飛ぶ虫のように見える。
これが凡人の命…(中略)一抹の驕りが湧き上がり、彼に冷たい殺意を抱かせる。
とあり、自分以外の存在を見下していたことがあったことがうかがえる。
しかし──
彼と一緒に戦った仲間と同じように温かな同胞のために、もっと生きられたかもしれないのに、もう二度とは故郷に戻れなくなった凡人のために痛んだ。
(丹恒・飲月キャラクターストーリー2より)
と、あるように、鏡流、白珠、刃、景元ら雲上の五騎士との交流を経て少しずつ別種の気持ちが生まれていったようだ。
ちなみに少し込み入ったことを書くと、人を見下すような冷徹で奢った部分は丹楓そのものの人格というより、「飲月」の部分が大きいようだ。飲月は羅浮持明族の龍尊の尊号で、「飲月君」を継承する者はその記憶も継承している部分があるようである。
詳しくは
過去記事:そもそも飲月君って何だろう
また、持明族の権力者には「選民思考」にたぶらかされている者も少なからずいるようで、その長たる龍尊はそういう視点で教育を施されているものと思われる。(資料があるが、どうでもいいところなので割愛する)
飲月君丹楓の冷たくおごったところは、彼本来の特性というよりは飲月君に代々受け継がれたものと教育によって培われた部分と考えて良いかと思う。
本来の丹楓は傷ついた人を癒したり、仲間を守りたいやさしい性質が強そうだ。
どれも現在の丹恒に目立つ特性である。
ついには一兵士の傷まで癒していたようす。
不幸なのは、恐らくそれを丹楓自身も気づいていなさそうだったこと。
景元は丹楓のそのやさしくて繊細な気質に気づいていた節があるし、恐らく他の3人も気づいていたのではないだろうかと思う。
心理学では人と人の関係は相互作用であると考える。つまり、今ある関係の状態は互いに作り上げた結果ということだ。
白珠が飲月や鏡流を救いたいと命を投げ出したのなら、飲月や鏡流にも彼女をそうさせるだけの何かがあったということ。
白珠の死と刃の言葉が丹楓の背を押してしまった
持明族は輪廻できても繁殖はできないため、人口は微減し続けるしかないという問題を抱えていたようだ。
持明族が「不朽」「永遠の命」に執着しているのはこれが主な理由かと思われる。
長命種の仙舟人と正反対の悩みである。
龍尊たる飲月・丹楓もこの問題には取り組んでいたようで、
宮殿跡の奥深くを訪れ、亡き友の残した血を埋葬したり、
長らく誕生していなかった新生を創造したりした(丹恒・飲月キャラクターストーリーより)
さらっと「新生」を創造していらっしゃった。
本当かよ!
しかし、ここ、ずいぶん日本語が不自由で意味が分かりにくい。
全文は以下のとおり。
夢で彼は自分が海を割き、宮殿跡の奥深くを訪れ、亡き友の残した血を埋葬したり、
長らく誕生していなかった新生を創造したりした——この2つのことは本来一体で、長らく実践できなかった渇望で、巨龍の心を挫いた最後の要素かもしれない。
「彼」は飲月・丹楓のこと、「亡き友」はたぶん白珠のこと。
キャラクターストーリー3の最後に白珠が亡くなったときのことを回想している部分があるが、白珠は倏忽に星槎で特攻して、とんでもない火力の何かを掲げ、周囲一帯を灰にして自身は千切れた数本の髪と数滴の血だけを残して亡くなっている。その様子は現実のあれにとても似ているが……日本人としてはセンシティブな部分なので表記は避ける。
——この2つのことは本来一体で、長らく実践できなかった渇望で、巨龍の心を挫いた最後の要素かもしれない。
これは……本来は死に行く者がいれば生まれ出づる者があるのが当然なのに、持明族は新たに生まれるいうことがないために、死ばかりを見ることになり、それが丹楓の心を壊した最後の要素になった、という意味かと思う。
戦場で亡くなる一人ひとりの人生やその人の仲間を思って胸を痛ませていたところ、自分の大事な仲間のひとりが死にかけていた自分と鏡流、その他大勢の兵を守るために自分の目の前で特攻をかまし、存在の痕跡をわずかに残してあっけなく消え去ったわけである。
そりゃ、心も壊れる。
さらに不幸というべきなのは、丹楓は特に龍尊の資質に恵まれていたようで、ある龍師に「天の寵児」と形容されている
だから、代々受け継がれている持明の秘法である「龍化妙法」に手を加える発想を持っていたり、その手法と結果についてもイメージができ、なんなら仮説を立てられるところまでいっていたのかもしれない。
力に動機が結びつき、さらに大事な仲間のひとりである刃が悲痛な声でその背を押したわけだ。(刃の言葉の全文はここで書いた)
もし、機会があるのなら…我らも彼女を、そして大勢の人を生かす選択をするだろう。——持明族には自らの救いの道がある。余はそれを試そう」
丹恒・飲月キャラクターストーリーより
ストーリーではこの先が書かれていない。
書かれていないので、丹楓が龍化妙法を誰(何)を対象に使って、厄龍を生み出したかは分からない。
白露は丹楓自ら指名した後継者
少し別の視点から見てみよう。
白露が龍尊になった経緯は今まで不明だったが、丹楓が自ら後継者として指名していたことが分かった。
ちなみに、白露自身もなぜ自分が丹楓に指名されたのかは知らないらしい。
これまでの伝統的な龍尊の継承では、
「龍心」と呼ばれる重器、「龍化妙法」という秘法、「重淵の珠」を継承すると完了するらしい。そしてそれらを継承するには儀式が必要とのこと。
そして、現在の白露の状態は、
・脱鱗してから医術の勉強しかしていない(丹恒・飲月同行クエより)
・封印の修復も海を割ることもできない(同)
・雨風を呼ぶ龍尊の力がない(同)
・龍祖の往事を追体験する夢をみない→龍化妙法が完全に施されていない可能性(白露キャラストより)
・龍心はありそう(白露のキャラストより)
ちなみに、「重淵の珠」は直接言及されているものがないのだが、恐らく、丹恒と飲月・丹恒が戦闘の際に使っている陰陽図柄っぽいこれのことなのかと思う。
いかにも珠だしな。
ということで、白露は「龍心」しか持っていないもよう。
なのになぜ丹楓は白露を後継者に指名したのか?
丹楓は争いに使う破壊の力は自分に封印して、命を守る力だけを継承させた龍尊を生み出したかったのでは?
丹楓が「飲月の乱」を起こすに至ったのは、戦争で散る命とその失われた命を悲しむ人たちに胸を痛めてのことだったかと思う。丹楓自身も当事者であり、そのひとりだった。
それがなんで白珠を龍尊に? となると、少し論理を飛躍させなければならない。
ひとつは、白珠のような自己犠牲精神の持ち主が適格だったことだろうか。
龍尊の資質にはどうも「自己犠牲」が含まれている感じがある。建木を鱗淵境で封印することを独断で決めた龍尊はその後力を取り上げられているので、脱鱗したものと思われる。
丹楓も個人的感情とはいえ、自分がどうなるかは考えなかったか、覚悟のうえの行動かと思う。大分心が疲弊していたので考えられなかっただけかもしれないが…。
もしくは、龍尊は不朽の龍にもっとも近い存在なので、「神」がそれを望んでおり、丹楓は自身の内にある神の意向に従っただけかもしれない。
白露は白珠がもとになっているのではないかと、Ver.1.3ではあちこちで匂わせている。
その尻尾、もともと狐族だったからでは? それか厄龍の名残りでは?
龍尊だけが龍に変化できるが、丹楓、飲月・丹恒に尻尾はない。
なのに白露は尻尾があり、力が暴走して『飲月の乱』の惨事を繰り返さないよう、『尺木の鎖』を龍の尾につけられている。
持明族の一般人にも尾はないし、どう見ても白露は何かイレギュラーな存在だ。
龍化妙法は異なる種族にも使えるんだってさ。
飲月・丹恒同行クエで鱗淵境に訪れた際には、元丹市長が丹恒を丹楓と勘違いして、興奮気味に龍化妙法と自身の研究と、ついでに一部の持明族が持つ歪んだ選民思考について熱っぽく語ってくれる。
彼女曰く、白露は「龍化妙法の要」で、龍化妙法によって龍血に眠る力を呼び起こし、他種族の血脈に埋め込めば、それも広義には「繁栄」であると。
……余談だが、彼女に対しては丹楓は冷たく、氷のようだったらしい。
短命種と狐族、長命種と、種族を越えた友人を持つ丹楓には、持明族を高貴な存在だと思っている女は相いれなかったのだろう。
龍師は白露を恐れている
一挙手一投足を気にするストーキングぶり。
前龍尊の丹楓が盛大なやらかしをしているので、それにビビっているとも見えるが、白露に力がないのは龍師たちも知っている。なのになんで恐れているんだろうか。
前世が厄龍だったからでは? もしくは、丹楓が創造した新しい生命体だからでは?
……と、かなり匂わせてくる。
これだけ匂わせてくるとなると、逆にミスリードを疑いたくなるくらいである。
実際、これが飲月の乱の真相だと刃が不死化した経緯が迷子だしな。
とはいえ、景元もずいぶん白露を気にかけている様子だ。
白露が力のない龍尊で鱗淵境の封印にまつわる仕事ができないのも知っていて、飲月の乱の真相も知っているはずなのでそういう意味で警戒する必要もないはずなのに、単純に気にかけているようなのだ。
最初は丹楓が残した忘れ形見のようなものだからかと思ったが、白珠がもとになっているのならそれもつじつまが合う。
そりゃ、景元が療養中の身をおして単身援軍に駆け付けるわけだ。
鱗淵境で友が失われる悲劇を何度も味わいたくないだろうからな。
景元視点だと、白珠、飲月、刃の3人が鱗淵境で失われたことになる。
まとめ
確証はないが、匂わせが散りばめられまくったことと、これまでの関係者の言動につじつまが合うので、白露は白珠をもとに飲月・丹楓が生み出した新しい生命かもしれない。
かわいい。
すり抜けで白露が来てくれれば嬉しかったが、来たのは現在の雲騎驍衛だった。
それはそれでなかなかエモい。
景元は元もと雲騎驍衛だったことも丹恒・飲月のキャラストで明らかになった。
白珠が特攻した戦では、普段は後方で掃討に徹していたようすの飲月が死の淵を味わっていたくらいだから、最前線の鏡流は相当きつかっただろうなと思う。
景元は近衛だったのなら、もしかしたら鱗淵境にも行けなかったかもしれない。普通の宰相や将軍は激戦地にはいかないからな。景元将軍は行くけど。
普通の近衛は警護対象を置いて単独行動なんてしない。彦卿はするけどな。
何もできないまま白珠の死が知らされ、心身ともにぼろぼろになった飲月と鏡流と刃が帰ってきたのなら、どういう思いだったのだろうと思う。
オマケ 刃に関して気づいたこと
丹楓のことを考えるためにショートアニメ「玄黄」を見直していた。
丹恒が沈んでいる場面で丹楓の頃の記憶がフラッシュバックしているのだが、その中に「あれ?」と思うものがあった。
これ。
白髪の頃の刃──もとい、応星が支離剣に貫かれている。
(崩壊スターレイル ショートアニメ「玄黄」より)
見やすく少し露光調整した。
白髪時代だから、短命種の頃なんだよなあ……
刃は何度も鏡流に殺されているけど、応星も鏡流に殺されたっぽいな、と。
飲月・丹恒のキャラスト3はけっこういろんな読み方ができるから難しいが、恐らく飲月の乱の最中で何か大きな異変が起きる直前まで飲月・丹楓を刃が護衛していたようなので、刃は派兵された鏡流にやられたのかもしれない。
結局残す最大の謎は刃がどういう経緯で今の状態になったかなので、これも踏まえ改めて考えてみたいとは思っている。
9/8追記:
考えた。Ver.1.3の内容を踏まえて「飲月の乱」と雲上の五騎士の人間もようについて再考した
しかし……これが飲月の目の前だったら、すでに心が疲弊しきっていた飲月は壊れてしまうだろうな。仲間が仲間を討つなんて……。しかも自分を庇って、とかだったらヤバいな。
幽囚獄に投獄された後は談笑していたはずの景元にも一言も口を利かなかったようだしな。
どうにも救いがなさそうな話になってきている気がする。
なんだか悲しい話になってきたから、スクショの中から見つけたとっておきの画像上げておく。
はい、これ。
ネットでざわざわしているのを見かけて、微笑ましく思っていたけど丹恒・飲月の衣装、本当に背中開いてんのな。着るの難しすぎないか? それともセーラームーン方式なの?
この衣装はどっから出てきていったい誰の趣味なんだ。
こっち方面のガチ勢考察班の方、いらっしゃったら挙手願います。
茶化してるけど、けっこう気になっている。
鏡流が腕に睡蓮か蓮か分からんが、付けているんだ。
丹楓は蓮モチーフでなく、鶴モチーフだったので丹恒・飲月の衣装の由来が何かによって、鏡流と誰が関係あるのかが変わりそうなのだ。
【崩壊スターレイル】飲月の乱は救いのない悲しい話だった件(Ver.1.3後)
どうしてもキャラクターストーリーを見たかったので、丹恒・飲月を引いた。
86回も回したあげくすり抜けて、言葉を失った。
別に性能面では要らなかった。虚数はヨウおじちゃんで満足していた。
それでも、キャラストをすぐに見たいがために回したんだ……
無凸確保に168連もかかったんだ。
そうして、即行でレベル80にして読めた話は、ただただ悲しい話だった。
ネタバレの塊である。
このためだけに168連かましたんだ、許して欲しい。
自分で読みたい人は戻ってガチャ回そう……。
- 丹恒・飲月のキャラクターストーリーで分かった要点まとめ
- 1.飲月君、人になって壊れちゃった
- 2.白珠は鏡流と飲月を救って死んだ
- 3.ぐらぐらだった飲月君の心に止めを刺したのは刃ちゃん
- まとめ
- すっきりしてない謎
丹恒・飲月のキャラクターストーリーで分かった要点まとめ
1.飲月君、人になって壊れちゃった
2.白珠は鏡流と飲月を守って死んだ
3.ぐらぐらだった飲月君の心にとどめを刺したのは刃ちゃん
順に書いていくが、丹恒・飲月のキャラクターストーリーはかなり分かりにくい。
刃も相当だったが、こちらの方がひどい。
時系列を入れ替えて書いたり、そもそも時系列が分からなかったり、主語がうやむやなまま書かれているところがある。
わざとだろうけどな。それか翻訳がいまいちなんだろうけどな。
何度か読み返して、これまで分かっている他の情報とつき合わせて考えたが、違う解釈もあるかもしれないことをご留意いただきたい。
1.飲月君、人になって壊れちゃった
飲月はその育ちや特殊な地位から、自分と他者をはっきり区別……というか、何とも思っていなかったか、何なら「凡人」呼ばわりして見下していたようだ。
龍に変身できるため、天から戦場を見下ろして、
©️ ムスカ大佐 1986
状態だったようである。
ところが、雲上の五騎士らとの交流を通じて少しずつ人らしい気持ち芽生え、戦死する兵士ひとりひとりにも人生があること、自分と同じように温かい仲間がいることに思いを馳せはじめる。
すると、敵味方関係なく一網打尽にする自分の力にも胸を痛めるようになったようだ。
冷徹な龍尊のままで居られれば良かったのに、皮肉にも温かい仲間との交流が自身を傷ませていくことになったようである。
そして、それが下地となって、とうとう大それたことを仕出かしたようだ。
2.白珠は鏡流と飲月を救って死んだ
舞台はやはり景元が言った「倏忽の乱」、もしくは亭雲がストーリー中で言った「数百年前、とある『豊穣』の使令が『建木』を奪うために、軍を率いて羅浮に攻め入ったことがありました」の時だったようだ。
辛くも倏忽を倒し、勝ったもののその戦で白珠は飲月と鏡流を救い、たくさんの羅浮の人達を守るという選択のために特攻し、壮絶な亡くなり方をしている。
3.ぐらぐらだった飲月君の心に止めを刺したのは刃ちゃん
白珠が特攻した際の戦では、飲月も「爪牙を奮い立たせ、怒りを爆発させ」て、懸命に戦ったようだ。しかし、決して勝てないという絶望のようなものを覚え、同時に死の淵で永遠の命への誘惑にも駆られたっぽい。
そのまま引用するが、刃は白珠を失った悲しみもあってか、その嘆きを以下のように飲月にぶつけている。
「倏忽は死に…俺たちは勝った。しかし、あと何度勝てる?俺たちはあと何度こんな代価を払う必要があるんだ?」
「建木を見ろ。まだ生きている。建木がそびえ立つ限り、化け物どもは…何度でも押し寄せて来るだろうな。仙舟人、狐族それから持明族と忌み物の戦いは永遠に終わらないんだ」
「そう、俺たちは何も特別ではない。俺たちの命は何かのために犠牲になり、あるいは死ぬ…でも全部、俺たちの選択だ。彼女がお前と鏡流を救うと選択したように…彼女がもっと大勢の人を生かすと選択したのと同じようにな!」
これが最後の一手になって飲月はひとりの人間として「選択」をし、やらかしたようである。
まとめ
飲月の乱は固有の自我を確立できていなかった飲月が、仲間達との交流を経て丹楓という個人の人格を持ってしまったゆえに起きた悲しい事件だった。
大事件を誘発したのは、丹楓や鏡流、羅浮の人々のために特攻し、数本の髪と数滴の血だけを残して亡くなった白珠と、白珠を失いやり場のない悲しみと嘆きをぶつけた刃の言葉だった。
すっきりしてない謎
この流れだと、最大の謎が残っている。
刃ちゃん、どうして自己回復能力付不死になった?
丹恒・飲月の同行クエによれば、丹楓が龍化妙法で造りだした厄龍は鱗淵境の大部分を壊滅させ、そのままならば建木の封印も壊されていたという。そして、丹楓の親友たちが力を合わせて厄龍を殺したとも。
丹楓が白珠の血と髪の毛から龍化妙法で厄龍を作り出したとして、それを親友たちが討ったとして……そこからさらに半持明族になった白珠(厄龍)が脱鱗して白露になったとして、刃ちゃんはいつ、なんのためにどうやって不死化したんだろうか。厄龍退治の戦力増強のためか?
刃は罪の意識を持っているようなので、丹楓を追い詰めて壊してしまったことを悔やんでいそう。罪滅ぼしのために、自分で選んだ道なんだろうか。
他にも諸々気になるところあるな。
鏡流の白露に対する態度は説明がついたが、鏡流の刃ちゃんへの仕打ちの理由とか、景元の丹楓に対する感情の濃さとか、刃の持ち物だった腕甲が丹恒に渡った経緯とか。
なんだか期待していたよりもすっきりしなかった。もう少し考えてみたい。
9/8追記:
考えた。皆同罪っていう話じゃないかと思ってきた。