どうでもいいこと

気になったことを 気になったときに 長文で

景元(INTP)の恋愛観を心理学的視点で考えてみた

縁あって崩壊スターレイルをはじめ、そこで雲上の五騎士という格好の考察材料に巡りあい、ここひと月ほど楽しい時間を過ごしている。

 

リクエストを貰って書いた、雲上の五騎士の面々のパーソナリティと人間関係の考察について興味深いことが起きている。

 

 

景元についてのアクセス数がぶっちぎりである。

 

h-ichii.hatenablog.com

 

不思議だ。

景元は情報量も多いし、分かりやすいと思っていたので意外すぎた。

商業的な人気も刃や丹恒(飲月・丹楓)よりも少し劣るだろうし、鏡流よりは大分劣るのでは……などと考えていたので驚いている。

それを知人さんに話したら、さらに意外なお言葉が返ってきた。

彼女曰く、確かに景元の性格や人間関係が一番訳が分からない、というかしっくりこない感じらしい。

 

自分は景元のパーソナリティを、内向性が強い点、比喩を多用する喋り方などから抽象思考が得意、論理的な判断と柔軟なところが目立つのでMBTIならばINTPとした。

INTPっぽさを凝縮しているのが、キャラクターストーリー1の冒頭部である。

 

「太卜殿に教えを請いたい。この星陣棋、なぜ棋盤は四角く、棋子は丸いんだ?」


「天円地方に倣っているのか?古人の文明が開化する前、人々は大地が平坦であると信じていた。列国の逐鹿、大地を一統した過去を模倣しているのであれば、星陣棋も当然四角くなる。そして棋子は…あの時代の人々は、天は球状の蓋だと信じていた。この棋子も星辰の流転に倣っているから、自然と丸くなった……」


「いや、違うか」

 

景元のキャラクターストーリー1より

 

自分で疑問を提示し、自分で仮説を立て、自分で反証する。

あらゆる事物と事象に興味があり、ありとあらゆる場面でそれを行う。何に使うとかは関係ない。考えること自体が目的である。

そしてそれなりに親しい人間の前ではそれを気まぐれに口に出し、軽くあしらわれるところまでがお家芸。だが、悪びれず全く気にしない──。

これがINTPでなく、何だというのだろうか。

 

書いている人はINTPである。

 

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INTPでは少数派のINTP-A、年食った分だけ外向性も感情面も大分伸びている自覚があるし、エニアグラムのトライタイプは258っぽいのでINTPのもっとも一般的な像とは少し違うかもしれない。言うなれば、よりアグレッシブで人間に興味があるINTPである。

 

だから景元のことも何となくわかりやすいと勘違いしているかもしれない。

そうだった。

INTPは人格が発達すればするほど、とっつきやすく親切で温和になれる。

軽い付き合いならば、変人ぶりが露呈せず、「温和で控えめないい人」という本性からかけ離れた称号も得ることができる。

しかし、それなりの社交性を身に着けたところで変人要素が損なわれることはない。

それどころか、年齢を重ね知識と経験が積み重なって論理が洗練されていけばいくほど、変人具合も洗練され、よりエレガントになっていくだろう。

 

景元は長命種というファクターも相まって、大分完成したパーフェクトに近いINTPに見える。

だからこそより訳が分からなく見えるかもしれない。

 

今回はそんな景元を題材に、INTPに関する項目の中でももっともブラックボックスな恋愛と恋愛観について考えてみたいと思う。

 

 

 

目次

 

 

 

 

恋愛より大事なのは「原理」

 

物事の判断が感情でなく、論理。

しかもINTPは論理派グループのなかでも、緻密な論理性を有していると言われている。

これは主機能にTi(内向思考)、第二機能にNe(外向直観)を備えているためで、この世のすべてスキャンするようにして情報を蓄積し、それらのつながりや背後に流れる普遍的な事象、概念を弾き出す。

そうして自分の内側にパンパンに詰め込んだ膨大な情報と知識と、そこから導き出した洞察を複雑極まりない論法で処し、あらゆる視点や要素が検討された整合性の取れた新たな結論や可能性に到達する。

それがINTPの中で常に起きていることだ。

 

最大の興味関心はこの世を動かしている原理を解き明かし、真理に到達すること。

原理がINTPの神である。

衣食住などの生活に密着した細々としたこと、感情交流などの情緒的なこと、権威や地位など社会的なことなどには興味がない。基本的に現実世界には興味がないのだ。

それらについてツールやプロセスとして、一時的によく考えたり調べたりすることはあるので衣食住などの分野にも精通していたり、興味関心が高そうに見えることがあり、確かに誤解を招くことがあると思う。

しかし、すべての具体的な事柄は原理のための通過点にすぎない。

 

人と温かな情緒関係をつくり、維持発展させることに高い価値を置いているパーソナリティグループからすると信じがたいだろうが、こういう変人が本当に存在している。

変人なので数が少ない。いろんなデータがあるが、総合するとどこの国、いつの時代でもだいたい3%ぐらいというのがいいところ。単純に学生時代、1クラスに1人いたかいないかぐらいだと想像しやすい。

そりゃそうだ。こういう人間が多数派だったら社会は成り立たない。

生物学的視点では、INTPみたいなパーソナリティを持つ人間は種にとってはいわゆる「保険」のようなものでないかと自分は思っている。特別でもなんでもない。希少種だからどうということもない。違う役割を持っているだけだ。

 

INTPは「孤立してしまう」などと言われていることがあるが、孤立してしまうことに本人は何の苦も感じない。ただ、孤立すると社会的に不利益があることがある、というだけで、「孤立」は許されるならばINTPにとっては自然な状態で、ともすれば心地よい状態でさえある。

 

こんなパーソナリティに「恋愛」がどれほど重要だろうか。

 

しかし、INTPとて人間だ。生物としての本能も有しているため、恋愛に全く興味がない訳でない…はず。

自分の感情を認識するのは苦手だが、感情がない訳でもない。たぶん。

ただ情緒問題──とりわけ、恋愛のような濃くて複雑な案件は優先順位は下がっているというのが実情かと思う。

 

 

容姿に恵まれれば、おのずと機会は多くなる

そんなINTPが恋愛という舞台に出てくるのは、「引きずり出された」場合だろう。主体的には出てこないだろうと思う。

もしくは、本人は好奇心を端緒にした興味を表明した結果、相手にそれを恋愛感情と勘違いされた場合──すなわち、本人は恋愛の舞台に出てきたつもりではなかったのに、間違えて上がってしまった場合のどちらかしかないと思う。

そのどちらにしても、容姿に恵まれていれば機会は多くなる。

景元は公式で美形設定があるようなので、舞台に引きずり出されたり、無自覚に上がっていることは多いのではなかろうか。

単純に機会が多くなれば、そのうちにINTPの価値観や美的感覚、興味関心にフィットする相手と出会い、恋愛関係に発展することがあるかもしれない。

 

 

景元の場合をとりまく人間関係をおさらい

 

景元の人間関係に登場している人物を挙げてみよう。

 

現在の人間関係

<羅浮関係者>

符玄

彦卿

御空

青鏃など神策府の人間

 

<列車組>

ヴェルト

なのか

丹恒

開拓者(星・穹
※姫子とは接点がないはず…

 

 

過去の人間関係

刃(応星)

飲月(丹楓)

鏡流

白珠

 

結論から書くと、恋愛関係に発展しそうなのは、この面子で考えるならば開拓者(星・穹)だと思う。

銀河を旅しており、ごみ箱に執心しているうえ美学と哲学を有しているなどどうしたって景元の好奇心をそそる。

自分はINTPだが、開拓者(星・穹)のように独自の哲学を持っている人間や、単なる反骨心以外の理由で常識から外れた言動をしたり、空気を読まない率直な人間は面白く、自分から積極的にいってでも親しくなりたいタイプだ。

 

次点で丹楓、丹恒、刃あたりかと思う。

丹楓や丹恒は物の見え方や考え方が近いので無理なく時間を共にできる。

詳しくはここで書いた。

 

個人的には丹楓、丹恒はその感受性の鋭さや、深いやさしさがすごく魅力的に映るが、同時に「脆さ」が心配になる。しかし、感情面ではただのポンコツなので結局何も力になれず、景元みたいに曖昧に笑ってごまかし、裏でため息をつくだけになりそうな気がする。

 

MBTIの教科書的には刃は候補にあがらないが、自分と身の周りのNTを見るにどうもパートナーにIS-Pを選ぶ傾向が見られる。

詳しくはここで書いた。

 

改めて景元周りの人間を見渡し、自己投影してみるとやはり自分の目には刃が一番魅力的に映る。

刃が何か夢中になって作っている傍らで黙って本を読み、たまに視線を上げ、その手元を黙って眺めるなどしたい。そして仕上がった作品についてあれこれ論表したい……などと思う。

 

表面的な軽い話題でなく、しっかりと対話を楽しめそうなのはヴェルト、飲月(丹楓)あたり。ヴェルトは本当に友人になりたい、と書いている人は思う。

 

接すると微笑ましい気持ちになっていそうなのは、白珠、なのか。

明るい気持ちにさせてくれそうだが、ふたりきりで長時間過ごすとなると特性が違いすぎて互いに苦痛を感じそうな気がする。

個人的には白珠やなのかのような女性はとても好きだ。自分の時間の使い方やパーソナルスペースについて理解を得られるのなら、彼女たちの恋愛相手の候補にして欲しいとも思うが……うまく事を運べたとしてもなんだかんだで結局愛想をつかされる気がする。それか、捨てられないように頑張った結果、無理をしすぎて自壊してしまいそうな気がする。

 

符玄や彦卿はまさに子どものようなものだと思う。

刺激を受けることもあるし、それ以上にうまく導いてあげたいというか……自分を踏み台に大きく成長して欲しいと思うことが多いんじゃないだろうか。

 

 

景元を落とせそうなのは、星・穹

景元と類似のパーソナリティを有していると思われる、書いている人の独断と偏見によれば、景元と恋愛関係に発展しそうなのは星・穹。

しかし、あくまでも「落とせそうなのは」である。

INTPと思われる景元自らが積極的に言い寄ってくることはなさそう。

そもそも恋愛が重要でないパーソナリティのうえ、長命種であり数百年……場合によっては千年単位で生きていそうなことを考えると限りなく恋愛に対する興味は薄いと思う。

好奇心がそそられるかどうかが、関心が向くかどうかの基準だと思う。

 

 

 

 

オマケ INTP本人が恋愛という舞台に飛び込みたい場合

 

INTP本人がどこか変なスイッチが入り、とち狂って恋愛などしてみたいと考えているのなら、スタートで大事な要点は以下2点かと思う。

 

・外見を整える

・自分から積極的に好意を表現する

 

まずは清潔感を重点において身だしなみを整えることが必要かと思う。

そして、親しくなりたい相手が見つかったら、その好意を端的に率直に伝えることが大切だ。受け身では何もはじまらない。

 

自分はアグレッシブINTPなので恋愛だろうが、友愛だろうが親しくなりたい相手がいたら、いつもこう言ってきた。

「あなたに興味がある。今度一度食事に付き合ってくれないか」と。

意外なことにこう言って断られたことは一度もない。

同姓にも異性にもだ。

 

そうやって食事にお付き合いいただいたESFJと思われる知人が言っていたが、曰く、興味を持ってもらえることは好意を向けられているのに等しいらしい。

だから、率直に「あなたに興味がある」と言ってもいいのかもしれない。

 

また、INTPが実際に恋愛関係や結婚生活に入る前には、相手に必ず説明し、理解を得られるかどうか確認しておいた方がいいことがある。

自分には多大なひとりの時間が必要であり、それと相手を大事に思う感情は決して矛盾していないことをだ。

何なら、人並みの情緒交流や愛情表現を欲しているのなら、自分は不適格であることも事前に言っておいた方がいいかもしれない。その代わり、問題解決手法や、今までにない新しい視点など別のものを進呈できることも。

その辺りの説明と理解が不十分だと自分も相手も無駄な時間を過ごし、相手が感情優勢タイプの場合には耐え難い苦痛を味わわせることになるかもしれない。

そして、私たちINTPは感情的に罵られると、とんでもない冷やかな言葉を浴びせるか、全てを捨てて黙ってその場から立ち去りかねない。

悲しいすれ違いを生まないために気を付けたい点である。

 

 

INTPを落としたいと思っている他のパーソナリティグループの人は、まずはひとりの時間をたっぷり与えてやれるかどうか、よく考えた方がいい。

天地がひっくり返ろうとも、INTPの時間の使い方は変わらない。無理強いすればINTPは大抵は少しの間我慢するだろうが、最終的には見たことがないくらい感情を爆発させて壊れる。

 

また、情緒的配慮や愛情表現は望めない。

誕生日を祝ってもらったり、一緒にクリスマスを楽しんだりも期待できない。

誕生日やクリスマスの起源を語りはじめ、それに対する持論を聞かされるだけだ。

 

一緒に旅行に行くことも期待できない。

外向感覚が弱いINTPに旅行好きは少ないと思われる。人びとが旅行で得ている体験や刺激は、INTPは主に読書によって得ている。

自分のことをよく分かっていなかった若い頃、パートナーとの旅行の最中に、あまりにも持ってきた本が面白すぎて外出の予定を全てキャンセルし、あげく飛行機に乗り遅れて翌日の仕事に穴を開けた。

旅行中に外的刺激に疲れ、静かな時間を欲するあまりホテルから一歩も出られなくなったことも一度や二度ではない。もちろん、ふられた。

申し訳ないとは思っている。思ってはいるが、どうにもならないものはならない。

 

自分で書いていて思った。

INTP当事者だから言っていいと思うのだ。

 

この人たち、一般的な価値基準では、恋愛対象としてあまりにも残念なのでは?

 

というわけで何か特殊な事情や癖がないかぎり、恋愛対象にINTPはおすすめしない。

結婚相手としては案外使えるかもしれない。

問題解決能力が高いうえ、成熟した健全なINTPは強メンタルである。

危機的状況に強いので頼りになることが多いかもしれない。

平時はポンコツで間違いない。