どうでもいいこと

気になったことを 気になったときに 長文で

【崩壊スターレイルVer1.5後】雲上の五騎士と飲月の乱関連まとめ

Ver.1.4の鏡流の実装を経て明らかになった種々に衝撃を受けたり、疑問が生まれたり──鏡流、飲月、刃、景元それぞれの視点に立ち返って見直したり、繋ぎ直してみたり。

そうこうしているうちに1.5の情報が出てきて、謎に包まれていた十王司がフォーカスされるということで、関連して情報が出てくるかも……などとしていたら、すっかり遅くなってしまった。

このあたりで、区切りとしてまとめておこうと思う。

 

 

抽象的な内容が多いが、深遠なネタバレもある。

自己責任で頼む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飲月の乱の全容

倏忽の乱で飲月と鏡流、その他雲騎軍の兵を助けるために特攻をかまし死んだ白珠の死を受け入れられなかった飲月君(丹楓)と応星(刃)が、彼女をどうにかして蘇らせられないかと考える。

飲月君は持明族に伝わる秘法「龍化妙法」が使えるのではないか──と考えるが、白珠は数滴の血と千切れた髪しか遺さなかったため、それだけでは難しいと考えたようだ。

そこで、「知恵と知性にあふれた」応星が豊穣の神の使令「倏忽」の血肉が使えるのではないかと思い至る。

しかし、その発想が短命種であった応星を「不死の怪物」へと変貌させる。

 

ここから先はどんなに見直しても時系列がはっきりしない。

はっきりしないため、想像で補完しながら進める。

 

不死の怪物へと変貌した応星からどうにかして、飲月君は倏忽の血肉を手に入れ、白珠の髪と合わせて龍化妙法を使う。

その結果、厄龍が生み出される。

無秩序に暴れ回る厄龍を相手どりつつ(たぶん)、前後不覚になって暴れる(だよな?)応星もとい、元応星だった「忌み物」を刺し一時的に動きを止め、鏡流はその隙に呆然自失としている飲月君に詰め寄る。

そして、飲月君から厄龍の弱点を聞き出した鏡流は衣の裾を切り取って視界を覆い、厄龍に立ち向かう。その際に精神的負荷が過ぎたせいか魔陰を発症する。同時に夢に見た宝刀を手にする。

その後、鏡流は刃を百回殺して剣を教え、飲月は十王司に引き渡され幽囚獄に囚われる。

 

事実ベースに一部、どうしても時系列と詳細が不明な部分をそれらしい想像で補完するとこんなところだろうか。

 

これまで全く不明だった応星が自己治癒能力付長命種にクラスチェンジした経緯が、はじめて鏡流の同行クエスト中に彼女の口から語られた。

 

語られたものの、そもそも豊穣の神使の肉体が短命種にとってどういうものであるか、そういうことの伏線がほとんどなかったため分かりにくいのと、飲月が龍化妙法を使って厄龍を生み出したこととの時系列が結局不明で想像で補完するしかなかった点である。

 

 

 

雲上の五騎士の人間もよう

そもそも写真が違ったり(丹恒・飲月と丹楓・飲月はビジュアルが違う)、対する感情が幼少期のものであったり、飲月の乱後のものであったりと時間軸がめちゃくちゃである。

そんなこんなでいろいろ雑なのはご愛嬌だが、ざっくりこんな感じ。

ちなみに、矢印がない部分は関連するエピソードがないか、あっても薄すぎるところである。

 

鏡流の実装に伴い、明らかになった意外な点は鏡流と刃は種族こそ違うものの、かなり境遇が似ており、鏡流が刃に対して劣等感と憧憬と共感をないまぜにしたような複雑な感情があったこと。

あと、驚くほど飲月君と鏡流の間には何もなかった。

そもそも丹恒・飲月の鏡流に対するボイスはないし、鏡流の飲月君に対する印象や感情は彼の実情とはかけ離れており、鏡流は飲月のことを全く理解していなかった。そのぐらい飲月とは心的距離が遠かったということだろう。

鏡流が飲月に対して唯一的を得ていそうだったのは、これ。

 

持明族の龍尊は秘法を受け身を造る、ゆえに1000代を経ても変化がない。我に言わせれば、それは天賜ではなく枷だ。彼は最終的にその枷から脱した。あってはならない方法でな……

「鏡流のボイス 丹楓について」より

 

鏡流らしい穿った捉え方だと思うが、キャラクターストーリーの内容からすると、丹楓の心の奥深くには輪廻から抜け出したいという思いがあったのは間違いない。そのために白珠を利用しようと積極的に思ったわけではないだろうが、結果だけ見ればそう捉えられてもおかしくはない。

一方、そんなことを言っている鏡流も、白珠と飲月、刃を踏み台にして夢にまで見た宝剣を手にしている。

あげく、応星が打ってやった剣で彼を打ちのめし、その剣を投げ捨てるなど刃のアイデンティティを踏みにじっている。自分が師にしてもらったのに倣い刃を奮い立たせているようにも見えるが、その行動は自身のコンプレックスを払拭しているかのようにも見える。

鏡流も飲月もひとつの行動に陰陽両面の感情が介在していそうで、マクロで見れば彼らは同類のように見える。

 

 

 

雲上の五騎士が悲しい結末を辿ったのはなぜか?

代価となった3人組がそれぞれ背景に異なる種の孤独を抱えていたから。

さらに、立場や種族が違っていたためそれに付随する価値観に埋めがたい違いがあった。

さらにいえば、鏡流と刃は良くも悪くも主観が強く、自己の価値観がすべてになりがち。一方、飲月は物事の捉え方が巨視的で未来志向、常人には理解しがたいところがある。

その結果、孤独を癒してくれる友が失われた際の感情の扱い方が違ってしまった。

 

景元だけが孤独とは無縁なため困難から立ち直る力に恵まれているうえ、感情よりも理性や論理性で物事を判断しやすいパーソナリティ像を持っていたため、比較的冷静に白珠の死と向き合えたものと思う。

 

 

 

刃はなぜ飲月を恨んでいるのか?

今回の終幕で一番謎が深まったのはこの点かと思う。

鏡流は飲月を主犯、刃を従犯と形容していたが、実際は心情的には飲月は迷いのなかにあったものの刃に背を押されるような形でそれをしている。(飲月・丹恒のキャラストより)

実行主犯は飲月でも、心情的主犯は刃である。

自分は刃が不死化したのは飲月のせいだと考えていた。そうでないと現在の刃が飲月(丹恒・丹楓)に抱いている感情に辻褄が合わないからだ。

しかし、彼が不死化したのは身も蓋もない言い方をすれば自業自得だった。

一体、なぜ刃は飲月を恨んでいるのだろうか。

 

刃がずっと丹恒を追っていたのは、恨みによる行動というよりは、やはり飲月の力を取り戻させるためという現実的な目的のためかと思われる。しかも自らの意思というよりはエリオだったり、鏡流陣営だったりの外部の要請によるものっぽい。景元もまた、利害が一致するのでその船に乗っていた節がある。

一方、刃はそれとは別に明確に飲月を恨んでいる様子が見られるのだ。

ひとりだけ全てを忘れて「自分は丹楓とは違う、別人だ」と言ってのける丹恒に怒っているだけかと思ったが、どうにもそれとも違うっぽい。

力を取り戻し、かすかな記憶と周囲の人間たちによって前世の自分が仕出かしたことを丹恒は大分知ったが、それでも刃の気持ちはきれいに晴れたというわけでもなさそうだ。

 

刃がなぜ飲月を恨んでいるのか──この問いの手がかりになりそうなものに以下がある。

 

「つまり、こういうことだ」

敵を皆殺しにしたのは、貴様だ。
愛する者を葬ったのも、貴様だ。
故郷を滅ぼしかけたのも、貴様だ。

「刃のキャラクターストーリー」より

 

鏡流は同行クエスト中に、己の存在を維持するためにすべての感情で最も強い、「憎しみ」を握りしめた。というようなことを言っている。

もしかして、刃も同じなのではないだろうか?

永遠の命を生み出すもの、望むもの、多数の人間を殺める絶対的な力を持つもの……それらは皆豊穣の神だろうがその使令だろうが、それを崇めるものだろうが本質的には一緒。

雷と津波ですべてを薙ぎ倒し、命を生み出し、輪廻する龍尊も同類。

そんな考えに到達したのではないだろうか。

 

魔陰のせいといえばそれまでだが、なかなか勝手である。

白珠が死んで喪失感とともに少なからず罪悪感もあっただろう丹楓を焚きつけたのは、刃である。刃自身は悲しみを共有したいだけでそのつもりなかったかもしれないが、少なくとも飲月主観ではそうだった。

 

とはいえ、丹恒の存在は刃にとって数少ない生きている理由となり、支えになっているようだ。

 

自分は刃が不憫なので「ならば俺も最後まで付き合おう」を選択した。

やはり刃はまんざらでもなさそうだった。

 

 

 

細々とした疑問や矛盾がないわけではないが、Ver.1.4の鏡流実装で大筋は解決したと思う。思っていたよりすっきりしなかったし、後味が悪い感じがするのが少し残念ではある。

 

この後味の悪さ……なんだろう。

これだな。

 


結局、人のことを想っているようで人間というのは独善的なのだ、という結論に収束したせいだろうか。

フィクションでぐらい人間のきれいな面だけを見つめたいものだ……