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中年INTPが INTPに提案したい実践処世術

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intpの処世術

 



もっともニートになりやすい、性格が悪いタイプなどとも言われ、不名誉な称号を与えられているINTP。

INFPほどではないにせよ、確かに社会適応が難しいタイプのひとつであるのは間違いないだろう。

資本主義社会における社会適応のひとつの指標として、稼ぐ能力=年収に着目すると種々のデータがあるが、たいていINTPは下から3~4番目に沈んでいる。

この不条理な世界でほんとうに生きていけるのだろうか、という根源的な不安に苛まれながら生きているINTP。

まだ社会に出る前のINTPならばその不安はいっそう大きいだろうし、いったんは社会に出たもののドロップしてしまったINTPならばその挫折感は相当のものだろう。

INTPにとって今日の世界や社会は生きにくい場所が多いことは間違いない。

 

しかし、大丈夫だ。

皆と同じようにできなくても、皆がなんとも思わないところでひっかかってしまっても、生きていける。

それなりにやっていける。

 

今日は中年INTPがこの20年近くの社会生活で得た知見を、同士の諸兄にお送りしたい。

社会的に成功しているわけでは決してないが、一応ずっと飯は食えている。

ちなみに書いている人はアカデミックな心理学はちょっとかじったが、MBTIやエニアグラムの専門ではない。
(以前はアカデミックな心理学の世界では、そのあたりは歯牙にもかけられていない……というか、スルーであった。今はどうなんだろう?)

 

タイプの特性や診断、認知機能やその詳細については専門のサイトを参照されたし。

 

まあ……もともと権威に懐疑的なINTPにはそのあたりの前提は不要のこととは思うが。

 

 

 

INTPはとにかく行動せよ

結論からいうと、INTPは行動しなければたぶん詰む。本当に詰む。

逆に言うと、行動さえしていれば活路が必ず開ける。

何せ、賢くて応用力が利くのでたいていのことはできる。苦手なことも、経験のないことも持ち前の緻密な論理力でクリアできる。

できないのは、高い外向感覚(Se)を要求されるようなことだけではないだろうか。

INTPが無理なく社会に適応し、生きていくためにどのような行動を心がけて実践するべきか以下に挙げたい。

 

 

”とりあいず”の暫定的な決断でいいから踏み出す

好奇心が無尽蔵で、さまざまなことをつないで考えられるため、興味が取っ散らかりがちなINTP。そのうえ、ただひとつの真実を探し続けているため、進路や職業選択の決め手に欠けることが多いのではないだろうか。

そんなときは、とりあいず今の時点で最もホットな領域で行動を開始することを勧めたい。

好奇心が旺盛なので大抵のことは楽しめるし、応用力があるので途中で道を変えることも器用にできるはずだ。

 

 

ロジックの形成と情報収集はほどほどに

真理に到達したいという思いから、いつまでもひとつのことを考えてしまいがちで、いつも期限ぎりぎりまで考えてしまう。

下手をすれば、出したあとでさえ「こうだったのではないか」「ああかもしれない」などと際限なく考えてしまいがちだが、そのときのINTPはすでに他からすると、異次元に到達している。

自分では6割くらいの完成度で、もやっとしているくらいで世の中に出すのがちょうどいい。

恐らく、6割の完成度でも端から見ると「考えすぎ」「そこまで考える必要ある……?」という域にある。

 

 

ネットでの行動より、リアルの行動の方が反応や評価を得られやすい

これを書いている人は中年なので、2000年頃──まだPCのメモリが5MBくらいで電話回線のダイヤルプッシュで接続していたときくらいからネットに出入りしている。

ネット黎明期はまだ情報量が少なかったのでブログを書いてもサイトを作っても、すぐに誰かの目に留まってレスポンスがあった。

しかし、それから二十年が経って、今は完全な飽和状態、弱肉強食の搾取社会である。

INTPは一見傍若無人で時に悪意なく人の感情を踏みにじるが、それでも本質的には調和を愛している。だから、競争には向かない(劣等機能がFe)


INTPはネット大好きだが、あえてリアルでの行動を重視することを推奨したい。

 

 

人間関係をおろそかにしない

ひとりの時間が何よりも幸せで、誰にも関わらず生きていけるのなら最高と思っているかもしれない。

しかし、それでは劣等機能のFeが発達しない。INTPは他者と関わることで、発展的になれる。リアルでの行動のひとつとして、たくさんでなくていいから、知人や友人、パートナーを持って関わろう。

 

 

友人や知人に、ENT-を持とう

INTPは世俗的なことにあまり興味がないし、心躍らされない。S(感覚)優勢とは根本的に話が合わないことが多い。

F(感情)優勢タイプは自分も振り回されるし相手にもよく思われないことが多いかと思う。

無理なく付き合え、得るものが多いのはENT-だと思う。本質的には理解し合える部分が大きく、彼らのエネルギッシュな行動や考え方には感銘や刺激を受けることが多い。ENT-も希少なのでなかなか出会えないが、知人にひとりでもいると大分心が救われる。

INTP同士は同族嫌悪があるし、INTJは似ているようで根本がけっこう違う。そもそも数が少なすぎてそうそう出会えない。

相手がSかN、FかTか分からないときは身近な時事問題を提示して話し合ってみるといい。PかJはさほど重要でないはずだ。

INTPならば相手がどうか、ちょっと話しただけでなんとなくは分かると思う。

 

 

持前の論理力と頭の回転の速さを駆使して良好な人間関係を築こう

INTPには種に関わらず人間関係を築くことが難しい、と感じている人もいるかもしれない。

私たちは自分の感情を認識することも得意でないし、相手の感情を感覚的に察することも難しいからそれは当然だ。

しかし、それすらもTiを駆使すればカバーできる。

相手の表情や声音、ケーススタディを頭のなかに蓄積してデータベース化しよう。

データが蓄積されて最適化されれば、感覚的に分からなくてもその時、そのシチュエーションに適切な言動を引き出せるようになる。

 

 

膨大な知識と底抜けの好奇心は、人や社会のために活かしてはじめて意味がある

マジョリティを形成するSFグループは、私たちからすると些末なことに真剣に悩み、苦しんでいることが多い。

それを冷笑するのでなく、寄り添って話を聞こう。私たちの感覚や視点は特異なもので浮世離れしていることが多い。

だからこそ彼らに新たな可能性や知見を提案することができる。信頼関係ができたら、自分のその特異な視点を押し付けることなく紹介してみよう。きっと彼らの助けになれることがある。

 

 

外見に注意を払おう

自身の容貌になど興味も関心もないINTPは多いと思う。しかし社会は、私たちが思っている以上にずっと外見を重視している。

むしろ外見がそれなりなら、ある程度の失礼も笑って許してもらえる。奇人っぷりも愛すべき個性にしてもらえる。

これを書いている人は、知人(恐らくISFJ)にはっきり言われたことがある。

「それ(パーソナリティ)で見た目もアレだったら完全にヤバイ人だもんね」──と。

生得的な容貌もそうだが、服とヘアスタイルをそれっぽくするだけで十分だ。どうしたらいいか分からなかったら、ホットペッ〇ーを開いて、よさげな美容室に飛び込み、お任せでカットしてもらおう。服はファッションビルや百貨店に入り、なんとなく自分好みな気がする店に入ってお任せで一式選んでもらえばいい。

私たちは各領域の専門家にごく自然に敬意を持てるから、難しいことではないはずだ。

 

自分の奇人っぷりに酔わない

これは特に若年のINTPに老婆心からお伝えしたい。

アイデンティティの確立が発達課題となる青年期には、自分が人と違うこと、自分が希少種であることが気持ちよく思えたり、自尊心を支える要素になるかもしれない。時には没個性の世俗的な人を見下すようなこともあるかもしれない。


しかし忘れないで欲しい。社会はそのような人たちに支えられ、動いている。


そして奇人は社会的ニーズが少ない。大人の世界に個性は必要ない。労働者に求められるのは、資本主義に都合のよい歯車だ。尖った個性だけをよすがにして生きられるのは、ごく一握りなのだ。

変わり者であることは仕方なく、マジョリティに迎合することも難しいが、どうか社会や人の役に立てる温和で有用な奇人を目指して欲しい。

 

 

疲れたときはとにかく寝よう。あと、ちゃんと食べること

何かに夢中になっているときも寝食を忘れることと思うが、厄介なのは強いストレス状態に陥っているときである。

TiとNeの無限ループに陥っているときがそれだ。

社会活動や寝る・風呂に入る・食べるなどの生活の基本的なこともせずに、延々とネットサーフィンしたり読書に明け暮れたり、脈絡なく考え事をしているときはとにかく休もう。

気が済むまで寝るのがいい。

問題が根本的に解決しなくても、寝れば頭がすっきりして我々の最大の武器であるTiが建設的な方向に動きはじめる。

 

 

まとめ

以上、中年INTPが自身の社会経験をもとに、INTPが世をそれなりに渡るためのポイントをまとめた。

中年INTPは現在中年クライシスの真っただ中にあり、アイデンティティの再構築を迫られている。その作業の最中、自身の青年期の振り返りをしたのでMBTI視点からこの機にまとめてみた。

INTPお得意の自己満足である。

 

しかし、ネットを見ているとINTPの生きづらさがひしひしと伝わってくる。

いち個人の知見と持論だが、社会適応に苦しむ同士諸兄の少しでも役に立てれば嬉しい。

 

INTPの代表格としてアインシュタインみたいな、とんでもない人が挙げられている。

みんながみんなアインシュタインになどなれるわけがなく、もっと手が届く範囲の小市民的なモデルケースが必要だと思った。

社会的に大成功しているINTPは率直にいって羨ましい。その極意をぜひご教授願いたい。

 

我々は感情表現が得意でないし、ごく親しい人にしか自分のTiを可視化しない。

だから他者からは誤解や批判を受けることも多いが、本質的には平和と調和、公正を愛する善良な市民だ。

殺伐とした世の中になりつつある今だからこそ、世捨て人になることなく、どうか社会で活躍してほしい。自戒を込めてそう思う。

 

 

 

これを書いた人のこと


MBTIはINTP
エニアグラムは5w4 トライタイプはたぶん258(582)

タイプ5のなかではもっとも人懐こく、258が多い型はENTP、次いでENFJということなので、後天的に外向性をかなり発達させたものと思われる。

仕事は人と関わる仕事でフリーランス

友達はいないが知人は多い。
友達は必要性を感じない。なぜならINTPだから。

 

配偶者はISFP エニアグラムは1w2。

根本的には分かり合えないが、人として善良なところが良い。

配偶者にES-Jはベクトルが違いすぎてお互いしんどそうな気がする……(個人の見解です)